第19話「最終話」:新型ウイルス撲滅に神頼み

文字数 2,097文字

 その後、4月15日までに確定症例712例が確認され、少なくとも14例の死亡が確認された。また、その他に検疫官や船会社の医師ら外部から対策に入った9人の感染が確認された。これを知った山野大助は、この感染症が世界中に広がったら大変なことになると考えた。2月23日、今上天皇の即位後に初めて迎える天皇誕生日となった。

 しかし、恒例の一般参賀は、新型ウイルス感染拡大のため中止となった。2月27日、安倍晋三首相は新型ウイルス感染拡大防止のため、3月2日から春休みまで全国の小中高校「公立学校だけでなく私立も含む」と特別支援学校の一斉臨時休校を要請した。3月24日、新型ウイルスの世界的流行に伴い、本年夏の開催を予定していた東京オリンピックの1年程度の延期が決定。

 3月25日、国内で第5世代移動通信システム「5G」がサービスを開始された。4月7日、安倍晋三首相は新型ウイルスの感染拡大を受け、改正新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく初の緊急事態宣言を発令した。対象地域は感染が拡大している東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、大阪府、兵庫県、福岡県の7都府県で、期間は大型連休が終わる5月6日までと決められた。

 しかし、その後、対象地域を全国に拡大、期間も5月末まで延長された。4月20日、国民1人あたりに10万円の特別定額給付金支給を含む新型ウイルス感染症緊急経済対策が閣議決定した。この事業については経済産業省がサービスデザイン推進協議会に769億円で委託し電通に7499億円で再委託されたため、大規模な中抜きが問題視された。

 7月4日、気象庁は熊本県と鹿児島県で数十年に一度のこれまで経験したことのないような大雨になっているとして大雨特別警報を発令。そして熊本県の球磨川では氾濫が発生し熊本県人吉市などを中心に大きな被害が出た。7月6日、気象庁は福岡県、佐賀県、長崎県に大雨特別警報を発令。特に福岡県内では1017年の九州北部豪雨から4年連続の大雨特別警報発令となった。

 7月8日、気象庁は岐阜県と長野県に大雨特別警報を発令。これで7月に入り3度目の大雨特別警報となった。7月6日~25日にモーリシャス南東部沖で座礁した日本企業所有でパナマ船籍の貨物船「わかしお」から燃料が漏れ出していると同国が発表。12月15日、2017年に神奈川県座間市で発生した男女9人殺害事件の判決公判がこの日、東京地方裁判所立川支部で行われた。

 被告人に対して求刑通り死刑とする判決が言い渡された。12月31日、第71回NHK紅白歌合戦が行われる。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、「紅白歌合戦」として放送を始めた1951年以来初めての無観客開催となった。NHKホールでは客席を一部除いてステージを拡大、NHK放送センターの大型スタジオを歌唱会場にするなど例年にない演出がなされた。

 2021年1月7日、内閣総理大臣の菅義偉が新型コロナウイルス感染拡大に伴い、首都圏の1都3県「東京・神奈川・千葉・埼玉」に対し2度目の緊急事態宣言を出した。期間は1月8日~2月7日までの予定。1月13日政府は各府県からの要請に応じ緊急事態宣言の範囲に2府5県「栃木・愛知・岐阜・京都・大阪・兵庫・福岡」を追加。期間は首都圏1都3県と同じく2月7日までの予定。

 新型コロナウイルス用の米製薬大手ファイザー製のワクチンが開発された。2021年2月12日の日曜日、航空便で日本に到着。新型コロナのワクチンが国内に届くのは初めて。厚生労働省の承認手続きを経て、来週以降、医療従事者向けの接種が始まる。ワクチンは、ベルギーから全日空の貨物便で2月12日午前10時半ごろに成田空港に到着。極低温の保管状態を維持したまま、接種の場となる医療機関などに運ばれた。

 政府はファイザーとの間で2021年中に1億4400万回「7200万人」分の供給契約を結んでいる。ワクチンは12日の厚労省の専門部会で安全性や有効性が議論され承認が認められる見込み。承認されれば2月中旬から医療従事者向けの接種が始まり4月以降に高齢者を対象とした接種が進む兎眼がけられる。さらに基礎疾患のある人などへの接種の後、一般向けの接種が行われる。

 そして、日本全国でワクチン接種が開始された。しかし、新型ウイルスが変異を繰り返すとしたら、また、新しいワクチンを開発製造しないと変異ウイルスによる新たな変異ウイルスによる感染が抑えられなくなると考えるとウイルスとワクチンの戦いは、長期戦になる事は必須であろうと予想された。しかし、ウイルスの変異と新型ワクチン製造が今後も予想され山野大助は頭を抱えた。

 その後、4月を迎え、新型ウイルスとワクチンの果てしなき戦いを想像すると人間に力のなさを痛感した。そこで、休みの日、由比ヶ浜の海岸を散歩しながら、今後、どうしていくべきなのか、思い巡らせた。しかし、妙案が浮かばず、砂浜の石で水切りをして鬱憤「うっぷん」晴らしをするくらいしかできなかった。そこで、神頼みしかないと、鶴岡八幡宮にお参りしてウイルス撲滅を祈願してきた。「完結」
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