ある少女の思い出

文字数 490文字

……
つまり、私に王立の魔術学校へ入学しろってこと?
……そうすればこの家の借金のための融資も考えると……そういうことらしい
そんな、でも……その借金だって元はあいつらが仕向けたことなのに!
名門貴族だか何だか知らないけど、アイツらが父さんに借金をおっ被せたせいで母さんは……
ああ、そうだ……すまない、全て私のせいだ
っ、別に……父さんが謝ること、それに
謝るなら私じゃなくて、母さんに……でしょ
お前の言う通りだ……しかし、死んだ人間に今さらなんて詫びたらいいか
…………
……なぁミリア、この話だが、お前が嫌なら断ってもいいんだぞ

他の使用人達には申し訳ないが……やはり、母さんを失って、今度はお前まで巻き込むわけには…
……父さん
…………
……いや、私 受けることにするよ
この話を
!……いいのか? お前は連中のことを嫌っているのだろう、それなのに何故
確かに、ポラード家は気にくわないし正直ムシズが走るけど……でも
……母さんがいたこの家を、私も守りたいし……魔術学校ってとこにも興味がないわけじゃないから
ミリア………すまん
………いいよ、それに……あと
……?
久しぶりに見ておこうかなって……あの子の顔を
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登場人物紹介

・アイリス=ポラード

名門貴族の一人娘
魔術の才能がないにも関わらず、魔術の学校へ入学することになってしまう。

・ミリア=チェイス

恵まれた魔術の素質を持つ少女。しかし成り上がり貴族の生まれであることから周囲に疎まれて育つことに

ポラード家に少なからぬ恨みを抱いている

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