気づき

文字数 396文字

『別に、あんな友達なんて私には必要ないから
アンタとは違ってね』
(!……けれど、それは向こうからすればわたしだって、結局は同じ……同類の)
『私はね、アンタみたいな家の名前でなんでも決めつけるような貴族の人間なんかと仲良くする気は……ない』
……っ!
ーーーー……?
(違う! わたしには……彼女を蔑むような意思は一切なかった!……だってわたし、わたしは)
?……アイリス、様?
はっ!……ぁ
どうかなさったのですか? 急に立ち上がられて……
い、いえ……あの、その……
えっと……実は急用を思い出しまして、校長先生に呼ばれていたとか、なんとか
あら、そうだったのですか
申し訳ありません、そうとは知らずに
ですから、その
……失礼します!
あっ……
(彼女たちのお詫びの言葉のそこそこに、わたしは走り出していた)
(この胸の、締め付けられるような痛みに苛まれるように……そして、導かれるように)
彼女は……今、いったいどこに
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登場人物紹介

・アイリス=ポラード

名門貴族の一人娘
魔術の才能がないにも関わらず、魔術の学校へ入学することになってしまう。

・ミリア=チェイス

恵まれた魔術の素質を持つ少女。しかし成り上がり貴族の生まれであることから周囲に疎まれて育つことに

ポラード家に少なからぬ恨みを抱いている

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