入学試験⑷

文字数 367文字

それでは、水晶玉に触れてください
どうぞ
………
どうかしましたか? 後がつかえているので
早くしてください
……すぅ、ふう……っ
バチバチバチッ!

ゴォォオオオオオオオオッッ!!
ひっ?!
きゃぁあっ! な、なに……あれ
(な、に……水晶玉から大きな火柱が上がって……

 いえ、違うわ
 あれはまるで、まるで生きた炎の蛇のような……)
……ふぅ、それで? こんなくらいでどう?
試験の方は
……は! あっ、いえ……えっと、その
どうやら水晶玉の調子が悪いようですね

交換してきますので、少し待っていてください……他の皆さんも
ふん、あっそ……
……何だったんだろうね、今の
さぁ、水晶玉が壊れてたんじゃないの? 試験官の人もそう言っていたし
…………
……っ
(……水晶玉の不調? いえ、さっきのあれはそんなことではなかったはず

 きっとそう、この子が)
(彼女は、いったい……)
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登場人物紹介

・アイリス=ポラード

名門貴族の一人娘
魔術の才能がないにも関わらず、魔術の学校へ入学することになってしまう。

・ミリア=チェイス

恵まれた魔術の素質を持つ少女。しかし成り上がり貴族の生まれであることから周囲に疎まれて育つことに

ポラード家に少なからぬ恨みを抱いている

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