期末試験⑹

文字数 663文字

………っ!
(あ! アイツ……あんな木の上になんか登って、しかもゴーレムの注意なんて引きつけて……いったいどういうつもり?!)
……グォ、ゴォォォ
ズシンッ、ズシンッ!
そうよ、こっち向いて……もっと近くまで来なさいな!
ゴガァァ……!
なっ、何やってんのこのバカ!そんなトコで、離れてろって言ったはず……なのに
そんなこと言ったって、だってこの試験は
自分のことでもあるんだから……だから
っ!……わたしだって! 頑張らなくちゃいけないのよ!
〜〜〜〜っ! たあっ!!
(!?……あの子、木の上から……跳んだ?!)
……?
ドテッ
ふぎゃっ!? あっ、あわわ落ち、落ち!
(跳んで、ゴーレムの頭の上に着地した……? 何を考えてるの、いったい)
い、ててて……って? あっ、あった!これね
(魔物学の授業の時、教師の方が仰っていた……ゴーレムの弱点!)
(額にある、『真理』の紋章……それを破壊すれば、ゴーレムはただの土くれに帰るはず!)
こ、の……てやぁぁああああっ!!!
バキィッ!
!?
なっ!?…………え?
……あら?
…………
これはまた……さすがにその辺に落ちてた木の棒じゃ、紋章に傷をつけることもできないって……ワケ

……あ、あはは
……対象カラノ、紋章ヘノ攻撃、確認

排除ヲ優先ス、ル……!
きゃあ!ち、ちょっと待、落ちる!今度こそ落ちちゃ……あっ
あっ!危な…っ
……っ、やっ……これ、落ち……!
っ!……アイリス!!
"風よ、彼女を受け止めてっ!"
ヒュォオオンッ

ドサッ!
あぐっ、ぅ……っ
ぐ、ク……落下の衝撃を、完全には緩和出来なかった……私自身ももう、気力が
……ゴォォォ
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

・アイリス=ポラード

名門貴族の一人娘
魔術の才能がないにも関わらず、魔術の学校へ入学することになってしまう。

・ミリア=チェイス

恵まれた魔術の素質を持つ少女。しかし成り上がり貴族の生まれであることから周囲に疎まれて育つことに

ポラード家に少なからぬ恨みを抱いている

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色