(二)-3

文字数 270文字

 そんな貴重な機会をいつまでも満喫していたかったが、すぐに方向転換しなければならなかった、
 操縦桿を握りながら、その景色が窓の枠からズレていき、やがて見えなくなるまで二人はずっと無言のまま、歴史の教科書に書かれていた「地球は青かった」というアームストロング船長の言葉は本当だったのだとしみじみと肉眼で確認することができた。
 やがて船が方向転換をすると、窓にはきらめく星々の海が見えた。昔の人はそんな銀河系の景色を「天の川」と読んだと、年寄りの歴史の教師は言っていたが、なるほど、特に星々の光が強いエリアが一筋の川のようになっていた。

(続く)
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