(二)-4

文字数 247文字

 二人は、そのような窓の外のきらめきを見るのに飽きた頃、自分たちの船を追い越す宇宙船を見つけた。大きな旅客クルーザーだった。ジョージがレーダーを確認すると、その船は「エミリア・マーチン号」だった。クラスメートで宇宙船製造会社マーチン社の経営者一族の娘であり、今回の木星までの宇宙船競争のきっかけになったエミリア・マーチンが乗る船だ。
 それを見つけたシッコは、窓の内側からエミリア嬢の乗る船に向けて嬉しそうに手を振った。もちろんシッコが振っている手は、船の中のエミリアが気づくはずがない。

(続く)
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