夏の終わり

文字数 214文字

夏の空気が
まとわりつく

夏の太陽が
照りつける

久しぶりに
家を出た

冷房の効いた部屋で
過ごしてばかりだと
窓から夏を見るだけ

感じる
ことは
大事だ

僕は
生きている

ガラス越しに
耳を塞いだ蝉の声が
耳をつんざく

人間と
呼べる
生活に
戻れるだろうか

しばらくぶりに
定食屋に
行こう

食べることすら
僕は忘れていた

僕は
生きるのだ


ぽとり


弱った蝉が
僕の前に落ちる

もう飛べない
なのに
まだ飛ぼうとする

まだ飛べるのに
飛ぶことを
やめようとした僕は
拾い上げ
街路樹の根元に
置いてやる
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