絶望を断つ

文字数 273文字

絶たれた望みを
引きずって
私は歩いていた

どうして
こんなにも
足取りが重いのか
ずっと不安に思っていたから
なんだかホッとする

体が
悪いのかと
思っていたのだ

立ち止まり
振り返ったら
両足に
絶たれた望みが連なっていて
音も立てずに
引きずっていた

これは
つまり
どういうことなのか

断ったはずなのに
断ち切れてなかった
ということなのか

こんなにも
絶望を抱えて
どこまでも
歩けないと
足首に巻き付いた
ひものようなものを
引き千切る

私は
途端に
身軽になって
空に浮く

このまま
召されのかもしれない

絶望と言いながら
断ち切れなかったから
僕は歩いていたのだ

人として
大切なものを
私は捨ててしまったらしい
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