第26話 キラキラ星の歌う夜について語る

文字数 1,364文字

これは以前、書きたいってモノが突然浮かんで、それはしつこいって題名でかじって書いたものだが、書き足してちゃんとキラキラについて書く。
「キラキラ星の歌う夜」は、実は2のあとで書いている。
これは2のラストで、

「救出した女が急に産気づいて、出産に居合わせてなあ……
あん時はマジひでえ目に遭ったわ。」

ってサトミの一言から、サトミが山の中で子供をあやして歌を歌いながら追っ手を殺すシーンがパッと浮かび、頭から離れなかったから書いた。
あの話は強烈にそれが浮かんで何日も離れず、とうとう書き始めた奇妙な話で、それだけ自分の中で特別感がある。
短編で本編から切り離す予定だったが、ここではあれを序にして本編最初に持ってきた。
サトミの入隊直後の話だ。

さて、自分の書き方は、逆算的にラストだけ決めて書いていく方法がある。
この話はまさにそれの典型だ。
ラストは固定されている。変更はないってのがこの書き方だ。
だから、それに向けて、なんでそんな事になったかの結論から、どんな人物がかかわるかとどんな思惑があってそこに行くか、逆算して書き出しを探る。
イベントを積み上げ、ゴールに届かせる。
ちょっと変わってるかもしれない。

この話は入隊直後だけど、新兵教育は、すでにサトミはぬるくてやってらんねえと言っている。
オヤジが彼と妹にやらせていた遊びは、兵隊ごっこ。
それも、おやつ巡ってマジに戦わせてた。
サトミは全盲だったけど、妹とは互角にやってたわけで、妹のミサトは4で「兄は神」と普段から発言している。
いわゆる、サトミは今作でチートキャラだ。
チートって言葉はチープで嫌いだ。
いかさまキャラって事だけど、こう言う奴がいないと面白く無い。
だよな、サトミよ。

「俺が詐欺キャラだって?キシシシシ!いいな、上等だぜ。」

こいつのヤクザのようなしゃべりは、町のオヤジさんたちとの付き合いから来たものだ。
昼間は主に開拓をしていたオヤジの仕事についていって、山を開いて畑を作るおっさん達の横で、妹とその辺の木を拾っては気で石を割って遊んでた、石割坊主。

4から見るとオヤジはボスとは面識があって、結局居場所を突き止めたボスが会いに行ったのはオヤジだったと思うけど、スカウトしたのはその息子となった。

サイはあまりに簡単にヒトを殺す事に驚くが、彼が住んでいたのは市街戦もあった最前線だ。
やらなきゃやられる事もある。
特に、サトミとミサトはお母ちゃん似で可愛かった。
つまり、売れば金になるガキだった。
だから、マフィアを通じたゲリラの人身売買に狙われた。
特にミサトだ。
ミサトは第6感が鈍い子なので、隙だらけだった。
サトミはそれを十分に知っていて、鰐切の爺さんに貰った、なまくらの鉄刀を背に刺し、彼女のナイトに徹した。
そこで、あの極論だ。

「俺に銃向ける奴は死ね。」

でもまあ、ジンは頻繁に銃を向けるが、あいつはあれが通常運転なので諦めている。
ミサトはいつか、この詐欺のように強い兄に勝ちたいと思ううちに、だんだんどこかねじれていったわけで、サトミはジンにミサトの面影を見て、オトモダチになったと思う。

一番の謎は、こんなガキを育て上げたオヤジだろう。

「ガキの育て方なんて知らんな〜。
そうだ、ガキは新兵と思えばいいんだよな!」

つまり、そんなオヤジなんだから仕方ない。

そんなキラキラ、よろしくお願いします。
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登場人物紹介

・LLX

吐き出すのは冷気か排熱か

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