第64話 戦いの風をちょっと語る 6、マリナ・ルーについて

文字数 945文字

メイスが青の巫子マリナ・ルーとして目覚め、バリバリ動き出す。
と言うわけで、青の巫子について語ろう。

マリナ・ルーとは火の巫子の、赤の巫子と対になる青の巫子。
聖櫃の巫子と言われる。つまり、入れ物。戦わない巫子。
主な巫子としての仕事は、聖なる火の管理。
この聖なる火というのは、力にもなるがとても厄介なもので、決して外に出してはいけないとあった。
つまり、神としての表の明るい火の、影火、影の業の火だ。
これは普段マリナ・ルーの中に納められ、寿命で死んだときは精霊によって作られた聖櫃に一時保管され、次のマリナ・ルーを待つ。
という感じで、滞りなく引き継がれていた。

マリナ・ルーは、だから一切神殿から出ない。大切に神殿の奥で守られて一生を過ごす。
そんな悶々とした人生を強いられる巫子だ。
だが、彼らも人間、そんなんヒマでしゃーないじゃん。と、言うわけで。
そこで、彼らは精神を分離して散歩する離れ業を身につけた。
とは言え、その散歩出来る広さは、マリナ・ルーとしての力に比例する。
聖櫃としての入れ物の広さもだ。
ただし、地球規模では無く、アトラーナ国内に限られる。
これは、この国が聖域だからだ。
精霊が聖域と決めている。そこには人間の意志は一切関係ない。
その辺考えると、アトラーナという国を作り出したのは、聖域を作った精霊が最初ではないかと思う。
そこに人間が入り込み、王が生まれて人の管理をし、精霊との共存を続けた。
ってのが想像しやすい。

メイスは、最初こそド素人の精霊の道も見えないただの人間だったが、時間の早さが違う黄泉で肉体の生理現象さえ忘れるほどの長い時間を過ごし、修行してきた。
よって、スーパースペシャル超聖櫃となってしまっている。
つまり、マリナ・ルーとして、飛び抜けた力が備わってしまった。
これは、わかりやすく言うと、対になるリリスの力も強いことを表している。

虐待にあって暗くウジウジした性格だったメイスが、精神だけは年齢を重ねて、苦難を乗り越えて飛び越えて突然ニッコリしたものだから、周りは付いていけないかも知れない。
だが、彼は変わっちゃったのだ。
そんなウジウジするヒマなんて無い! ってわけで、とにかく神殿作らなきゃと、リリスと頑張り始めた。
何代目かわからないマリナ・ルー。
これからの活躍をご覧あれ。

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登場人物紹介

・LLX

吐き出すのは冷気か排熱か

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