第13話:和美に双子誕生と競馬

文字数 2,134文字

 その後も震度5を越える余震が、10月23日に12回、24日に1回、25日に2回、27日に1回、11月になっても3回も続いた。12月に1回の合計68の余震が続いた。11月10日昼頃、和美が出産した産婦人科へ行くとベッドの隣に2人の赤ちゃんが並んでいて驚いた父が双子かと興奮したように言った。母の真弓さんが孫の面倒を見にい合ってあげるよと、優しく言うと和美は、ありがとうと言いながら涙を浮かべた。

 ところで名前はと父が聞くと、三条俊恵と三条一善と教えてくれた。その後、真弓さんと三条さんのお母さんが、交代で和美と三条俊恵と三条一善の面倒を見る事になった。こうして2003年が終わりを告げ、2004年が空けた。2004年、閣僚の年金未納発覚をきっかけに年金未納問題がクローズアップされ、年金制度そのものの問題も表面化した。

 サブプライムローンとは、ローンの信用度が劣る低所得者層を対象とする住宅ローン、一般の住宅ローンよりも金利が高く、その分、審査基準が緩和されていた。この頃、米国で2004年頃から不動産ブームを背景にサブプライムローンが急速に普及した。借入れ当初の数年間は金利が低めに設定されているが、その後、金利が高くなる頃に値上がりした住宅、不動産を売却して借入れを返済したり買替えたりする。

 このように不動産価格が上昇することを前提として利用されていた。また、サブプライムローンは、複雑な工学技術を用いて証券化され、上手にリスクを隠していたため、米国の内外を問わず、多数の金融機関に購入されていた。そのため、不動産価格が下落し住宅ローンが不良債権化するにつれ、問題が顕在化し大きくなっていった。

 2005年が明け、嵯峨は、武久さんに1月、競馬に行きますかと聞くと1月16日の京成杯に行くと言った。そこで一緒に行きたいと言うと了解と言い、いつもの時間にいつもの場所でと言われた。そうして1月16になるとかなりお雨が降った。11時過ぎ中山の競馬場のレストランに行くと武久さんが競馬新聞を見ていた。

 武久さんに挨拶をして昼食を食べながら、話を聞くと、こういう日は、穴馬券がくると考える観客が多い。だから一番人気でも人気薄になり配当が増えると語った。その裏をかいて、予想するのがベテランのする事だと語った。と言う事は、1番人気の9番、アドマイヤジャパンですねと聞くと、その通りと行った。

 そして、武久さんは。一番人気の9番アドマイヤジャパンの単勝40枚、1番人気9番と2番人気の11番シックスセンスの馬連「順不同可」30枚、1番人気9番と3番人気の4番コスモオースティン馬連「順不同可」30枚と告げた。嵯峨夫妻は、9番アドマイヤジャパンの単勝50枚すつ購入すると告げた。昼食後、いち早く、馬券を買い観覧席の見晴らしの良いところに陣取った。

 こうして興奮のスタートがきられた。走る馬の水しぶきが上がるほど競馬場の芝は水を含んでいた。ふわっとしたスタートし、本命の9番アドマイヤジャパンは、スタート直後、最後方になったが、道中は手応え良く、ジワジワと順位を上げ、思わず真弓さんが、興奮して行けーと声を上げた。それが聞こえたかの様に9番アドマイヤジャパンは徐々に順位を上げてきた。

そして第4コーナーからスパートを開始し、残り200m地点でさらにストライドが大きくなり、直線の坂でまたひと伸びした。これを見て、武久さんが9番アドマイヤジャパンが勝てるかもとつぶやいた。その後、素晴らしくパワフルな末脚で重賞初制覇を遂げた。この結果、やっぱり悪天候で本命の以外の馬が勝つと予想した人が多かったようで、外れ馬券が宙を舞った。

 2005年の8月、避暑のためにオーストラリア、ケアンズと北東オーストラリア3週間の旅に出かけた。本八幡の家を17時に出て18時に成田空港に到着した。その後出国手続きをとりJ航空の搭乗口へ向かい20時前に登場して20時過ぎに成田空港を飛び立った。その後、夕食を食べ、映画を見たり、眠ったりして早朝4時半過ぎにケアンズ空港に到着した。

 空港近くのホテルに一泊して、近くのスーパーで買い物をしてバスを利用して予め7日間予約して置いたパームコーブのコンドミニアムに翌日の昼過ぎに着いた。翌朝、近所のパームコーブビーチを約1時間かけて散歩したが、実に気持ちが良く、沖の無人島はスカウトハットアイランド「ボーイスカウトの帽子のような形という意味」が見えた。

 昔、日本で見た「ひょっこりひょたん島」というテレビ番組にでき来た島の様で面白かった。コンドミニアムに戻るとパンとチーズ、ハムとサラダと珈琲の朝食セットが出されて食べたが、量が多くお腹いっぱいになった。4日目、ケアンズ行きのバスに乗って大型スーパーに買い物に出かけて、パンとビスケット、バターチーズ、ハムを買ってきた。

 翌日、コンドミニアムの人に教えてもらったコーヒーショップに出かけ、珈琲を飲んだ。特にすごく旨いと言うほどでもなく、価格は、日本の珈琲チェーン店よりも量も多い。しかし、価格は、総じて高い感じがした。こうして、あっと言う間に8日目の朝を迎えて、パームコーブのコンドミニアムの精算を終えて後にした。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み