11. オクレ再び
文字数 1,118文字
みなさんはイソップの「アリとキリギリス」の話を憶えてられますか?。アリは夏の暑い最中、一生懸命働いて、キリギリスは遊んでるだけなんでしたよね。そんで食べ物のない冬になってからアリは大丈夫なんですけど、キリギリスは餓死してしまいよることなるんです。食い物全然貯めてなかったんでね…。ぼくは働く気はあるんですが、仕事があまりのうて最近はえらい出番も少なくなってしまって、このままいったら、もうじきキリギリスみたいに、餓死してしまうんやないかな〜て、
そう
思てるんです。そしたら自分は一体!アリやったんか、キリギリスやったんか、もう分からんことになって、しまいよることなるんです。働く気はあったんですが、仕事がの〜て、家でただぼーっと、天井の節穴見つめてただけの人生に、なってしまうんです。だぶん、もうじきぼく死んで、仙人みたく、霞みたいになって消えてしまいよることなるんやろな〜って、思てるんです…。みなさんはアンデルセンの「みにくいアヒルの子」の話を憶えてられますか?。こどもんときは、家鴨の群れん中に紛れ込んでしもてて、そんで、みなからボロクソに言われて、苛めらてしもて、えらい難儀しよるんでしたよね。ところが、いざ大人になってみれば、なんと自分は白鳥やったんやーゆう
分かるんです。あれね~実はボクについての話しなんやゆうことが、こないだ分かったんです…。ボクもね、生きてる間はまったく金には縁ありませんでしたし、見かけもあまり 冴えへんかって、周りからはえらいゆわれ
かたされてました…。実の母親でさえ、ことある度に、「貧素や〜貧素や〜」悪口いいよりまして、そんで、女誘ても家きよらんかって…ホント、ほんまに、苦労ばかりの、散々な人生やったんです。ところが、いざ死んでみたら、いきなり大きい羽が背中からはえてきよって、もう空、飛んでも〜てたんです。そんで、周り見たら、似たような羽生やした奴等が、
「あ"ぁあ〜…あッ…ぁー…あ"ぁぁあ〜〜」
「はい、もうこんでみなおしまい!」
う〜ん…天晴じゃ〜…
「あっぱれ、かっぽれ、
サトウキビ
!」これちがうわ…
「あっぱれ、かっぽれ、
きびだんご
!」これもちがう…
「あっぱれ、かっぽれ、
ハレル〜ヤ
!」コッレー♡
……
これでまたみんな忙しくなるねッ…。
おすまい