４．　ラヴ・ユー・シューメイカー

　　　　　　　　　先鋒…



みなさんはグリムの「こびとの靴屋」
というお話しはご存知でしょうか？。

夜中に家のもんがみな寝静まってから
現れるというあのけったいな
いきものの話を…。

そんでそいつは、勝手に、

ええ靴

を、
こしらえて、くれよること、
なるんでしたよね…。

更に、その靴は、みなさん御存知の通り、
あとで、えらい高値で売れてしまいよること
なるんです…。

あれね〜実はぼくの仕業(しわざ)やったんです。

そう、み〜なぼくが、やってました…
夜中とか昼間、みながおらんときにね。
みなに知られんよう分からんようにして…。
なんや、えらい気い使いながらしながらに、
あれやこれやをぼくはしてるんです…。
そうです、あの話の実際は、
あんな”こびと”の話しやなんかのうて、
このぼく個人としての話し、やったんです。

家族のためやと、みな喜ぶやろな〜
とか思いながらに、

もの陰に

身ぃ〜隠して、潜まして、
いろいろと、ヒト様の役立になりそうなことに努めているんです…。

でも絶対に、そんな素振りなんか
ひとつたりとて、
見せたりなんかはしません。

その実際を家族に明かしたり、
誰それかに気づかれたりするような真似は、
絶対したしはしませんでした…。

あくまでも「こびとの仕業やー！」
そういう体(てい)で、そう装(よそお)って、
するだけのもんなんですから…。

それだけで、もう十分やったんです。
それだけが、自分の、持ち分やったんです。
　　ほんま、それだけ。
　　　　それだけであることこそが、
　　　　　一番ええことやったんです…。


♫　「感謝だけが〜生きが〜ぃなのーー
　　　　忘れ〜〜らーれ〜なーいーーー
　　しンボー しンボー　しンボー しンボー　
　　　　　　　涙〜〜の辛ん抱〜〜……」♪



　　　　　　　　　次鋒…



それにしてもみなさん！、人間ってもんは、
ほんまひとでなしばっかしなんですねっ！。
　　その心の頑(かたく)なることには、
　　ほんま、もう〜びっくり、しゃっくり、
　　　ぼく村○ショ〜ジですー！。

　みなね、心の中は、もう〜文句ばっか！
　　　　　　批判ばっかし！。
　　そういったのしかありしませんねん…。

　　今日もね、猫が腹下しとんのは、
　　あんたがやった餌のせいやって
　　そゆことにされてしまう始末なんです。

　　　それとあれ！、アレの

あのこと

、
　　　あれの、あのことにおいででも、
　　　そうですわ〜…

ボク、時々偶に、猫を風呂で洗たるんです。年に四回か五回ほど、ですかね〜…。自分が日頃、いつも、

つこてる

、そのシャンプーで

それででもって

…。そしたら、ある日、そのことに気づいた嫁と娘から、もうとんでもない糾弾を、批判のラッシュを、それらとしての

猛攻を

受ける、受け止めてしまう羽目に、なって、しまって、もーとったんです…。

彼女らの言い分によりますと〜、
なんでも猫は毛づくろいすんときに、
自分の毛〜を、舐めよるやろがーー！って。

そんなもん

（人間用のシャンプー）

使こたったら

、体に悪いこと、なりよることなるんは、なりよりはることなるるんは！、
決まっとる、やー、やろがーーー！って。

ボクね〜このとき、まったくの無防備の、
まったくの素〜としての、
まさにヴォーナラブル（vulnerable）としての
その状態やったんですよ〜〜…

そうであったが故に、
完璧に、被爆して、被弾して、
オルレアン公にて、

おるらりて

いました。

いまも

、

現在も

、

ボクが

、猫を〜、洗たってるんですが〜〜、

同じシャンプーで

、洗ろたって、やって、ます〜。

とにかく！、好意でやったことの、
その悉く、そのみなぜんぶがーー！、
裏目へと、裏目へと〜〜、
出で

しまふ

、そんな、そうした、
その毎日なんです。

家族であったとしても、そうなんですから、
ましてやそれが赤の他人で、あった日には、
　…もう目ぇ〜もあてられん程にぃーー
　　　　ほんとにほんとに、
　　　　　　ひどすぎ…
　　　　　　「ドゥ〜〜ン!」。


♫　「生体(からだ)なしで〜生きてーー
　　　ゆぅくぅ〜〜うっ、のねーーー　
　　りンボー りンボー、りンボー りンボー、
　　涙〜〜の、り〜いぃいんぼ〜おぉー」♪




　　　　　　　　　とり…



みなさまお久しぶりです。
前○政二です。
なんでかしりませんけど、
急いで飛んできた次第です…。

ぼくもね…やっぱ、なんか言わな…
あかんーって、思(おも)て…。
でもねー、なんにもありしませんねん。
　………。
そうそう、今、ぼくね、
NS ○で、講師の仕事させてもろうてます。
差し入れしてくださったなら、
ただただ大喜びですわー…。


♫「我力だけを〜〜　信じ〜ぃいてた　
　　　　わ〜たーしぃいーーー
りンボー りンボー　りンボー りンボー　
　　涙〜〜の、りーいんぼおー。」♪



　　　　　　　　〈閉幕〉




注：リンボーは Limbo のこと。
　　地獄への入場口におけるその名称、
　　　　　　　”辺獄(へんごく)”　のこと。