幕間講義 4 改正児童福祉法四条~六条 及び 民法820条・822条 (後)
文字数 5,029文字
直実:それじゃ改めてもう一度しっかり考えて欲しいから再掲するな
穂高:ちなみに後でこの条文はもう一度出て来るから、今の内にしっかり子供として
自分の意見をまとめといてくれると、嬉しいわね
【民法】
820条 (監護及び教育の権利義務)
親権を行う者は、子の利益のために子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う。
822条 (懲戒)
親権を行う者は、第820条の規定による監護及び教育に必要な範囲内でその子を懲戒
することができる。
巻本:それじゃ改めて――
朱寿:――たった二文だけなんだけど、この二文が非常に繊細で難しい問題をたくさん
はらんでるんだよ
咲夜:これって要は必要に応じて教育、言葉で言うと難しいニアンスだけど、ある程度の暴力
を認めてるって取れるんだけど
雪野:でも言っても分からない子供には、叩いて分からせる方が後々子供のためになる場面も
多いのではないでしょうか
中条:でも男から女みたいに、強い者が弱い者に暴力を働くのは、あーし的にはどうも納得
出来ませんね
愛美:私は自分の子供には手を上げたくないな……それに手を上げたら、私の心も痛い気が
する
優希:愛美さんの優しい気持ちは分かるけど、もし僕たちの子供が言葉で聞かずに、他人に
暴力を振るったらどうする?
男子:(何自然に岡本さんとの子供とか言ってるんだ?)
雪野:(実はもう、勝負がついてたりするんでしょうか……)
愛美:その時は私が相手の親に謝りに行くよ
慶久:……
優希:でも僕は愛美さんが責められるのは見たくないから、僕なら心を鬼にして叩かれた痛み
を知ってもらうために子供に手を上げると思う
優珠:……確かにそれで痛みを知れば、他人に優しくあろうとするかもしれないわね
佳奈:でも最近親に叩かれ続けて育ったから、それ以外の育て方を知らん言う言い訳もよう
聞くで?
穂高:そこなのよ。そこが一番問題になってるのよ
直実:だから叩いて分からせる。どこまでが常識の(懲戒権の認められた)範囲内なのかが
分からない。だからその言い訳にいつもしつけのつもりだったと聞くハメになる
朱寿:……ナオくん……
直実:今回朱寿は愛美ちゃんのご両親に対して、即決で先のセリフを電話口で言い切れた
のは、それ以前から親御さんが愛美ちゃん自身を大切にしてるのを十二分に肌で感じ
取ってたから
穂高:そう言うのを期待して、児童相談所の方々も各御家庭との信頼関係を築くのだけど、
いざとなればやっぱり自分の子供だからすぐに手の平が変わるのよね
蒼依:……私のお母さんみたいに?
愛美:違うよ。蒼ちゃんのおばさんは蒼ちゃんを大切にしているからだって、私やお母さん。
それに朱先輩にも伝わってはいたよ? だけどやっぱり私たち子供の意見も聞いて欲し
いじゃない。いくら蒼ちゃんはもう誕生日を迎えて18歳になったからと言っても、
おばさんがいつまで経っても自分の子供には変わりないって言ってくれてたんだから、
やっぱり私たちの気持ちは分かって欲しいよ
優珠:愛美先輩……
佳奈:なんやウチまで心に来るもんあるわ
直実:でもその気持ちですらも、最後防さん親子を送る際、親御さんがしっかりと汲み取って
くれてたよな
雪野:なんかワタシの家の両親とは全く違います
九重:うちとも違う
実祝:でもそれぞれの家庭にはそれぞれの事情があるから、みんな違って当たり前
朱寿:そうなんだよ。どこの親も子供を大切に思わない家は無い。だからこそ手を出す
(懲戒権の行使をする)親御さんも多いと言うのが、一般的な考え方なんだよ
直実:そうなんだ。だから同じ娘を持つ母親として、愛美ちゃんのご両親は防夫妻を特に
咎めるような話は何もしなかった。その上で、防さんに向けて上がった手を、そのまま
言葉だけで収めてしまった
蒼依:本当に二回ともありがとう愛ちゃん。間違った事はしてないって言ってくれるのに、
私だけ閉じ込められるのも手を上げられるのもやっぱり辛かったよ
愛美:蒼ちゃん……
雪野:本当に。“子供の利益”って何なんでしょうね。叱る方が後々自分のため、子供のために
なると分かってても、今回みたいな事象を目の当たりにしてしまうと、叱るの自体
難しく感じてしまいます
彩風:蒼先輩の自宅療養もそうですよね。健康を考えるならやっぱりアタシでも家で療養
して、少しでも早く良くなって欲しいって思ってしまいますけど、アタシの本音も
そうですけど当の蒼先輩は全く逆ですもんね
愛美:だから私は基本暴力は好きじゃないの。でもやっぱりどうしても分かって欲しい相手
にはどうしたって分かって欲しいよ
直実:今回防さんご夫妻がそんな気持ちだったんだと思う
穂高:もちろんだからって、防さんが間違ってる訳でもおかしな行動をしてる訳でも無いん
だから、卑下する必要は無いのよ
咲夜:どっちも正解、間違いじゃないって言うんなら、やっぱり子供の気持ちを優先して
欲しい……かな? あたしは
倉本:そう……だな。前回からこの問題はすごく難しいけど、俺としては色々知ってもらう
意味で、やっぱり叩いて分からせると言うのはあっても良いと思う
優希:そうだな。そこは僕も同じ気持ちだ。だからこそ男親として、しっかりとけじめを付け
た上で間違っても暴力になってしまわないように細心の注意を払いたいとは思う
中条:……つまり男としては叩いて分からせるのはアリで、女側としては子供に手を出すのは
反対って事なのか?
朱寿:そんな事ないんだよ。わたしもどちらかと言うと、最終手を上げるのはありだと思って
はいるんだよ
直実:でもそれは本当の最終手段で、最後まで懲戒権以外の方法で“子供の最善の利益”を
確保したいんだよな?
朱寿:小さな痛みを知る事で、大きな痛みを回避する。これも立派な子供の利益なんだよ
穂高:幸い今回は岡本さんや、親御様がいらっしゃったから防さんもそう言う理解だった
けど……でも、手を上げらた子供たちの中には、親に叩かれたのが一生残る場合もある
のよ。親からの暴力でPTSDを発症する子もいるのよ
慶久:……俺はそんな事のために力を使いたくねぇ。
九重:それは友達同士でも同じだと思いますよ。やっぱりクラスメイトが暴力の的になってる
のを見てるのは気分落ちたし、それを止められない自分にもたくさん嫌気を指して来ま
した
蒼依:それでも愛ちゃんは何とか止めようとしてくれたよ
実祝:本当に愛美の行動にあたしたちみんなが支えられた。だからありがとう
咲夜:……言葉にするのが難しいけど、あたしは愛美さんと再び喋れるようになって、本当に
今感謝してる
愛美:それもこれもみんなの本音は同じだったからだよ。私一人じゃどうにもならなかったよ
九重:(……この気持ちが、うちにはなかったんだろうな)
雪野:やっぱり暴力からは何も生まないと思います
全員:……
――――――――――――――――【補足 2】――――――――――――――――
家出中や、一時保護における限度期間について
(作中175話 Aパート・177話朱先輩の解説が該当)
【改正児童福祉法】
第三十三条
③ 前二項の規定による一時保護の期間は、当該一時保護を開始した日から❝二月 ❞を
超えてはならない。
上記が根拠条文となります。
――――――――――――――【補足 2 終わり】――――――――――――――
直実:それじゃ最後、しんみりしてるけどまとめに入るな
朱寿:今回の蒼さんの家出騒動に関しては、蒼さん側としては
穂高:“子供の最善の利益”を主張した一つの行動であり、そこに問題は無かった
倉本:そして、岡本さんの友達を遊びに来たと保護したご両親も、しっかりと初めに子供の
意見、気持ちを聞いて指針を決めたのもあって、しっかりと“子供の最善の利益”を
損なうことなく話を展開できた
巻本:……その上、防の親御さんも、あくまで子供の身の安全を考えての行動だと、船倉が
判断できるくらいには、一貫してたから、児童福祉法にも児童相談所運営指針にも
引っ掛かる事なく話がまとまった
蒼依:その上で私のお母さんが、愛ちゃんだけじゃなくて私の話まで聞いた上でお母さんと
しっかり話をしてくれたからお母さんが謝ってくれた
愛美:そして最後に、私たちの要望と言うか気持ちを飲んでくれて最後、蒼ちゃんが無事に
家に帰れた
雪野:こうやって本当にざっくりまとめてしまうと、やっぱり岡本さんのご両親はすごく
子煩悩なんですね
実祝:でもどこの家も形は違えど、子供を大切にするはず
咲夜:そうだね。あたしもはずかしいけどもう一度お父さんお母さんと話してみるよ
彩風:そうですね。アタシはお弁当から作ってもらってるので、そう言う当たり前からもう
一度意識してみようと思います
中条:あーしとしてもやっぱり親に反抗してても許してくれるから、いつかお礼だけは言い
たいな
九重:うちはこの学校に通わせてもらえてるところからかな?
慶久:……俺は。ねーちゃんに感謝したい
朱寿:ご家族に感謝できるんだったら、それでも十分なんだよ
愛美:ありがとうね慶。でもお父さんとお母さん頑張ってくれているから、私たちもワガママ
言えるって言うのだけは忘れないでね
慶久:……おう
蒼依:それじゃ最後に今後の展望だね
彩風:何故かアタシは清くんともっと溝が深くなることに
中条:それは彩風が原因の一端は担ってるけど、基本こういう場合は全部男が悪いって相場は
決まってるんで
倉本:……まあ。俺もカッとなった時の性格と言うか、言葉は直さないと駄目なんだけど
中々……
巻本:まあそのせいで俺らは嬉しいんだけどな
佳奈:ちょっと先生。また本音漏れてますよ? あんまそんな事ばっかゆっとったら岡本さん
に怒られますよ?
九重:だけどこの後はまた展開が変わるのよね
実祝:そう。色々ショックな事と納得の出来事が一つずつ起こる
咲夜:主にあたしの話もそうだし
雪野:何故かワタシが岡本さんに目を付けられるんです。これが一番理不尽だと思います
愛美:……どうしてよ?
雪野:そんなの、空木先輩と仲良くなったのを自慢するために、ワタシに目を付けたからに
決まってるじゃないですか
穂高:……岡本さんはそう言うタイプとは違うわよ
優珠:……でもここから先はしばらくの間、堅苦しい話は無くなって恋愛脳になるのよね
佳奈:それってあのアホな先輩言うてた先輩が喜ぶ展開と違うん?
咲夜:……
優珠:やるじゃない佳奈。そうよ。でもそうは問屋が卸さないのがこの話よ
蒼依:つまり雪野さんを愛ちゃんが攻略して、咲ちゃんの思うようにいかないって事
なんだねっ
実祝:蒼依が嬉しそう?
蒼依:そうだよ。私はまだ咲ちゃんを赦してないんだから、そんなの当然だよ
朱寿:そしていつでも愛さんの味方のわたしがいつも通り何とでもするんだよ
直実:朱寿。俺も付いてるから何かあったら俺にも頼ってな
朱寿:! ありがとうなんだよ!
慶久:ねーちゃんにかかったらどんな相手でもひとたまりもねーもんな
雪野:ちょっと縁起でもないことおっしゃらないで下さい
男性:そして次話から岡本(愛美)さんが復学します
女性:再び登場キャラが増えますのでまたごちゃってしてきますけど
全員:今後は堅苦しい話が緩くなり、主に恋愛話になるので皆さんお付き合い頂ければと
思います!
教頭:次はありませんよ? 巻本先生
(※)2022年4月より民法改正により18歳で成人となっております
(※)唯一の例外は、どこかの幕間講義で取り扱う予定です
児童相談所運営指針 参考URL (厚生労働省ホームページ)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/dv12/05.html
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
実際の現実(NHKニュース記事です)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210507/k10013014681000.html
これが現実です。
敢えてどうと言うのはこれ以上は書きませんが、お読み頂けた方々それぞれがご感想をお持ちになり、お考え、意識頂ければと切に思います。
穂高:ちなみに後でこの条文はもう一度出て来るから、今の内にしっかり子供として
自分の意見をまとめといてくれると、嬉しいわね
【民法】
820条 (監護及び教育の権利義務)
親権を行う者は、子の利益のために子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う。
822条 (懲戒)
親権を行う者は、第820条の規定による監護及び教育に必要な範囲内でその子を懲戒
することができる。
巻本:それじゃ改めて――
朱寿:――たった二文だけなんだけど、この二文が非常に繊細で難しい問題をたくさん
はらんでるんだよ
咲夜:これって要は必要に応じて教育、言葉で言うと難しいニアンスだけど、ある程度の暴力
を認めてるって取れるんだけど
雪野:でも言っても分からない子供には、叩いて分からせる方が後々子供のためになる場面も
多いのではないでしょうか
中条:でも男から女みたいに、強い者が弱い者に暴力を働くのは、あーし的にはどうも納得
出来ませんね
愛美:私は自分の子供には手を上げたくないな……それに手を上げたら、私の心も痛い気が
する
優希:愛美さんの優しい気持ちは分かるけど、もし僕たちの子供が言葉で聞かずに、他人に
暴力を振るったらどうする?
男子:(何自然に岡本さんとの子供とか言ってるんだ?)
雪野:(実はもう、勝負がついてたりするんでしょうか……)
愛美:その時は私が相手の親に謝りに行くよ
慶久:……
優希:でも僕は愛美さんが責められるのは見たくないから、僕なら心を鬼にして叩かれた痛み
を知ってもらうために子供に手を上げると思う
優珠:……確かにそれで痛みを知れば、他人に優しくあろうとするかもしれないわね
佳奈:でも最近親に叩かれ続けて育ったから、それ以外の育て方を知らん言う言い訳もよう
聞くで?
穂高:そこなのよ。そこが一番問題になってるのよ
直実:だから叩いて分からせる。どこまでが常識の(懲戒権の認められた)範囲内なのかが
分からない。だからその言い訳にいつもしつけのつもりだったと聞くハメになる
朱寿:……ナオくん……
直実:今回朱寿は愛美ちゃんのご両親に対して、即決で先のセリフを電話口で言い切れた
のは、それ以前から親御さんが愛美ちゃん自身を大切にしてるのを十二分に肌で感じ
取ってたから
穂高:そう言うのを期待して、児童相談所の方々も各御家庭との信頼関係を築くのだけど、
いざとなればやっぱり自分の子供だからすぐに手の平が変わるのよね
蒼依:……私のお母さんみたいに?
愛美:違うよ。蒼ちゃんのおばさんは蒼ちゃんを大切にしているからだって、私やお母さん。
それに朱先輩にも伝わってはいたよ? だけどやっぱり私たち子供の意見も聞いて欲し
いじゃない。いくら蒼ちゃんはもう誕生日を迎えて18歳になったからと言っても、
おばさんがいつまで経っても自分の子供には変わりないって言ってくれてたんだから、
やっぱり私たちの気持ちは分かって欲しいよ
優珠:愛美先輩……
佳奈:なんやウチまで心に来るもんあるわ
直実:でもその気持ちですらも、最後防さん親子を送る際、親御さんがしっかりと汲み取って
くれてたよな
雪野:なんかワタシの家の両親とは全く違います
九重:うちとも違う
実祝:でもそれぞれの家庭にはそれぞれの事情があるから、みんな違って当たり前
朱寿:そうなんだよ。どこの親も子供を大切に思わない家は無い。だからこそ手を出す
(懲戒権の行使をする)親御さんも多いと言うのが、一般的な考え方なんだよ
直実:そうなんだ。だから同じ娘を持つ母親として、愛美ちゃんのご両親は防夫妻を特に
咎めるような話は何もしなかった。その上で、防さんに向けて上がった手を、そのまま
言葉だけで収めてしまった
蒼依:本当に二回ともありがとう愛ちゃん。間違った事はしてないって言ってくれるのに、
私だけ閉じ込められるのも手を上げられるのもやっぱり辛かったよ
愛美:蒼ちゃん……
雪野:本当に。“子供の利益”って何なんでしょうね。叱る方が後々自分のため、子供のために
なると分かってても、今回みたいな事象を目の当たりにしてしまうと、叱るの自体
難しく感じてしまいます
彩風:蒼先輩の自宅療養もそうですよね。健康を考えるならやっぱりアタシでも家で療養
して、少しでも早く良くなって欲しいって思ってしまいますけど、アタシの本音も
そうですけど当の蒼先輩は全く逆ですもんね
愛美:だから私は基本暴力は好きじゃないの。でもやっぱりどうしても分かって欲しい相手
にはどうしたって分かって欲しいよ
直実:今回防さんご夫妻がそんな気持ちだったんだと思う
穂高:もちろんだからって、防さんが間違ってる訳でもおかしな行動をしてる訳でも無いん
だから、卑下する必要は無いのよ
咲夜:どっちも正解、間違いじゃないって言うんなら、やっぱり子供の気持ちを優先して
欲しい……かな? あたしは
倉本:そう……だな。前回からこの問題はすごく難しいけど、俺としては色々知ってもらう
意味で、やっぱり叩いて分からせると言うのはあっても良いと思う
優希:そうだな。そこは僕も同じ気持ちだ。だからこそ男親として、しっかりとけじめを付け
た上で間違っても暴力になってしまわないように細心の注意を払いたいとは思う
中条:……つまり男としては叩いて分からせるのはアリで、女側としては子供に手を出すのは
反対って事なのか?
朱寿:そんな事ないんだよ。わたしもどちらかと言うと、最終手を上げるのはありだと思って
はいるんだよ
直実:でもそれは本当の最終手段で、最後まで懲戒権以外の方法で“子供の最善の利益”を
確保したいんだよな?
朱寿:小さな痛みを知る事で、大きな痛みを回避する。これも立派な子供の利益なんだよ
穂高:幸い今回は岡本さんや、親御様がいらっしゃったから防さんもそう言う理解だった
けど……でも、手を上げらた子供たちの中には、親に叩かれたのが一生残る場合もある
のよ。親からの暴力でPTSDを発症する子もいるのよ
慶久:……俺はそんな事のために力を使いたくねぇ。
九重:それは友達同士でも同じだと思いますよ。やっぱりクラスメイトが暴力の的になってる
のを見てるのは気分落ちたし、それを止められない自分にもたくさん嫌気を指して来ま
した
蒼依:それでも愛ちゃんは何とか止めようとしてくれたよ
実祝:本当に愛美の行動にあたしたちみんなが支えられた。だからありがとう
咲夜:……言葉にするのが難しいけど、あたしは愛美さんと再び喋れるようになって、本当に
今感謝してる
愛美:それもこれもみんなの本音は同じだったからだよ。私一人じゃどうにもならなかったよ
九重:(……この気持ちが、うちにはなかったんだろうな)
雪野:やっぱり暴力からは何も生まないと思います
全員:……
――――――――――――――――【補足 2】――――――――――――――――
家出中や、一時保護における限度期間について
(作中175話 Aパート・177話朱先輩の解説が該当)
【改正児童福祉法】
第三十三条
③ 前二項の規定による一時保護の期間は、当該一時保護を開始した日から❝
超えてはならない。
上記が根拠条文となります。
――――――――――――――【補足 2 終わり】――――――――――――――
直実:それじゃ最後、しんみりしてるけどまとめに入るな
朱寿:今回の蒼さんの家出騒動に関しては、蒼さん側としては
穂高:“子供の最善の利益”を主張した一つの行動であり、そこに問題は無かった
倉本:そして、岡本さんの友達を遊びに来たと保護したご両親も、しっかりと初めに子供の
意見、気持ちを聞いて指針を決めたのもあって、しっかりと“子供の最善の利益”を
損なうことなく話を展開できた
巻本:……その上、防の親御さんも、あくまで子供の身の安全を考えての行動だと、船倉が
判断できるくらいには、一貫してたから、児童福祉法にも児童相談所運営指針にも
引っ掛かる事なく話がまとまった
蒼依:その上で私のお母さんが、愛ちゃんだけじゃなくて私の話まで聞いた上でお母さんと
しっかり話をしてくれたからお母さんが謝ってくれた
愛美:そして最後に、私たちの要望と言うか気持ちを飲んでくれて最後、蒼ちゃんが無事に
家に帰れた
雪野:こうやって本当にざっくりまとめてしまうと、やっぱり岡本さんのご両親はすごく
子煩悩なんですね
実祝:でもどこの家も形は違えど、子供を大切にするはず
咲夜:そうだね。あたしもはずかしいけどもう一度お父さんお母さんと話してみるよ
彩風:そうですね。アタシはお弁当から作ってもらってるので、そう言う当たり前からもう
一度意識してみようと思います
中条:あーしとしてもやっぱり親に反抗してても許してくれるから、いつかお礼だけは言い
たいな
九重:うちはこの学校に通わせてもらえてるところからかな?
慶久:……俺は。ねーちゃんに感謝したい
朱寿:ご家族に感謝できるんだったら、それでも十分なんだよ
愛美:ありがとうね慶。でもお父さんとお母さん頑張ってくれているから、私たちもワガママ
言えるって言うのだけは忘れないでね
慶久:……おう
蒼依:それじゃ最後に今後の展望だね
彩風:何故かアタシは清くんともっと溝が深くなることに
中条:それは彩風が原因の一端は担ってるけど、基本こういう場合は全部男が悪いって相場は
決まってるんで
倉本:……まあ。俺もカッとなった時の性格と言うか、言葉は直さないと駄目なんだけど
中々……
巻本:まあそのせいで俺らは嬉しいんだけどな
佳奈:ちょっと先生。また本音漏れてますよ? あんまそんな事ばっかゆっとったら岡本さん
に怒られますよ?
九重:だけどこの後はまた展開が変わるのよね
実祝:そう。色々ショックな事と納得の出来事が一つずつ起こる
咲夜:主にあたしの話もそうだし
雪野:何故かワタシが岡本さんに目を付けられるんです。これが一番理不尽だと思います
愛美:……どうしてよ?
雪野:そんなの、空木先輩と仲良くなったのを自慢するために、ワタシに目を付けたからに
決まってるじゃないですか
穂高:……岡本さんはそう言うタイプとは違うわよ
優珠:……でもここから先はしばらくの間、堅苦しい話は無くなって恋愛脳になるのよね
佳奈:それってあのアホな先輩言うてた先輩が喜ぶ展開と違うん?
咲夜:……
優珠:やるじゃない佳奈。そうよ。でもそうは問屋が卸さないのがこの話よ
蒼依:つまり雪野さんを愛ちゃんが攻略して、咲ちゃんの思うようにいかないって事
なんだねっ
実祝:蒼依が嬉しそう?
蒼依:そうだよ。私はまだ咲ちゃんを赦してないんだから、そんなの当然だよ
朱寿:そしていつでも愛さんの味方のわたしがいつも通り何とでもするんだよ
直実:朱寿。俺も付いてるから何かあったら俺にも頼ってな
朱寿:! ありがとうなんだよ!
慶久:ねーちゃんにかかったらどんな相手でもひとたまりもねーもんな
雪野:ちょっと縁起でもないことおっしゃらないで下さい
男性:そして次話から岡本(愛美)さんが復学します
女性:再び登場キャラが増えますのでまたごちゃってしてきますけど
全員:今後は堅苦しい話が緩くなり、主に恋愛話になるので皆さんお付き合い頂ければと
思います!
教頭:次はありませんよ? 巻本先生
(※)2022年4月より民法改正により18歳で成人となっております
(※)唯一の例外は、どこかの幕間講義で取り扱う予定です
児童相談所運営指針 参考URL (厚生労働省ホームページ)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/dv12/05.html
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
実際の現実(NHKニュース記事です)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210507/k10013014681000.html
これが現実です。
敢えてどうと言うのはこれ以上は書きませんが、お読み頂けた方々それぞれがご感想をお持ちになり、お考え、意識頂ければと切に思います。