夏といえば2

文字数 810文字

それから花火大会の日は本当にすぐに来た。

浴衣は、毎年は買ってあげられないとお母さんに言われたとおり、今年はムリとはっきりキッパリ断られてたから

昨年と同じ派手ピンクのハイビスカスがいっぱいに咲いている柄の薄いピンクの浴衣で行く。

でも髪飾りはお小遣いで新しいものを買う事にした。


みさきちゃんと一昨日デパートに出かけて、それでゲット。

みさきちゃんはひまわりのモチーフのものを買って、私は浴衣の柄と似ている派手ピンクのハイビスカスの飾りと合わせて偶然売っていたミニティアラを買った。

買い物し終えて「花火のお祭り楽しみだねー!」とみさきちゃんが言い、
「ホント楽しみ!いい思い出にしようね」
と私は返し、ワクワクドキドキなムードで盛り上がっていた。

そして今日は花火大会。

急いで支度をして身だしなみチェックで鏡に向かって自分にOKサインを出して、
「行ってきまーす!」と草履で小刻みにコツコツと音を鳴らして駆けていった。


ちゃんと時間通りに集まったみさきちゃん、達弥とはお祭り屋台でお好み焼きと焼きそばを買って、チョコバナナを買って、これでもかってばかりに食べて、
水ヨーヨー釣りをやって、
そして、花火を見る。

ちょっと小高い芝生の場所だとよく見えるからって、達弥についていって
花火を周りの人たちと一緒に見上げた。

毎年と同じく、大輪の花火が夜空で咲くように輝き、ファンタジック。

それは何度も何度も繰り返し、言葉を忘れ、
夢中で眺めていた。

もしナオトくんも来ていてくれたらもっと素敵に見えたはず。

そう思う分切ない気分になったけど、
みさきちゃんと達弥とだってちゃんと素敵。

達弥の発案どおりにこの場所で見て正解で、
今までで一番花火が良く見えてる気がするし、

ティアラ姿の私を見て
「姫、楽しんで頂けていますか?」と達弥が言うし、
「姫、もうホント可愛いんだからー!」とみさきちゃんに抱きつかれてちゃほやされちゃったし。

この日は本当にキラめくように楽しかった。











ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

のあ ...主人公。明るくマイペースな女子。中学2年生。

ナオト...主人公に家が近い。気まぐれでマイペースな男子。高校2年生。

みさき...主人公のあの親友の女子。

達弥...主人公のあの同級生男子。


気になるニャ♪

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み