お日様と波と音

文字数 849文字

いたずらに寄せては返す波は綺麗だけど
何もしてはくれない。

でも綺麗は綺麗。

自然と気持ちは晴れやかにされてしまう。

次の週の日曜日。
ナオトくんへの想いは隠しながら抱えているけど
それでも居心地は良い砂の城。

さんさんと照らすお日様とそれから一緒にいて落ち着くナオトくんとの空気感は
やはり好きなだけ。

それにしても今日は驚いた。

ナオトくんはこの日ギターを持って来ていた。

普通のアコースティックギターだけど
持っているとは知らなくて
なんとなくだけど驚かされた。

そして、そのギターをサラサラと弾いてみせるナオトくん。

癒やされるような綺麗な音。

男の子なのに繊細な音を奏でる器用な細い指を動かしているところが、

見つめる上でどこかセクシーな様子。

それに見とれて
ろくに曲の内容など聴いていなかったけど

それだと悪いかなって思って真剣にどんな曲を弾いているか聴いてみた。

よく耳にする事があるようだけど新しいような、
ジャズのようなリゾート地で流れるような曲。

それをしばらく続けて弾き続けるナオトくん。


「あれ、ナオトくん歌わないの?弾き語りだと素敵だと思うけど」

とナオトくんに聞く私。

ふと、ナオトくんの歌声まで聴いてみたくなったから
そう聞いてみた。

その質問には

「歌わないよ」

とナオトくんは答えた。

しかも

「お前が歌いなよ」とナオトくんが言うから、

「私が!?」と返す私。

だけど歌うのは好きな私。
だからって
断ることはせず、

「でも、歌っちゃう!」と言った。

そして、目配せしながら奏でるナオトくんの曲に合わせて

「ラララーン ラララー ララン♪」と
歌い始めた私。

「おお元気良いじゃん」とナオトくんは上機嫌な様子で言い、更にギターで曲を奏でる。

「もちろん♪歌うのが好きだから!
ラララララララーン ラララン ララン ラン♪」

って、どこか情熱的に言い歌う私。

その時は本当に楽しくて、クラスの合唱より、街であ母さんや親戚の子とカラオケに行った時より
エタニティで輝いているなって思えた。


誰かと、しかもナオトくんとこんなにも楽しくなれるんだって初めて知った。











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登場人物紹介

のあ ...主人公。明るくマイペースな女子。中学2年生。

ナオト...主人公に家が近い。気まぐれでマイペースな男子。高校2年生。

みさき...主人公のあの親友の女子。

達弥...主人公のあの同級生男子。


気になるニャ♪

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