本人や周囲の戦い|確認|文字

文字数 1,505文字

 化学物質過敏症患者が環境に影響されている時は文や文章が書けず、「てにをは」がまったくなくなります。


【文字が書けない】
 重要な書類に氏名をサインしている最中に、突然に自分の名前の一文字の漢字の一部に、余計な線がいくつも入ってる…?間違えたという意識はあります。この漢字はとてもおかしいとも思うのですが、だけど修正が出来ないのです。

 そういえば、大げさな検査をしなくとも患者さんが今どのような状態かは文章をみればすぐにわかると、医師が話をしていました。



【文章】
 化学物質過敏症の人は、患者特有の不思議な文章を書きます。

 同病の患者さんからの不思議な文章が届くと「あら、あなたも私と一緒ね!」と、なんだか、ちょっと嬉しい。

 書籍の製作中に「それでも編集者か?」と散々怒られました。当時は自分も含め、化学物質過敏症でそのような状況になることなんて想像もつかなかったので、プライドは傷つくし、ただ、ただ苦しく、困り果てました。

 誰も洗濯しない真夜中に作業をして、ひとつの文章を何度も何度も校正して何十倍もの努力をしていますが、以前のような文章は書けなくなって、やはり、どこかおかしいと我ながら思いますが、いまだにその場ではどこが違うのかわかりません。

 それが、苦しい感作がなくなった瞬間に、自分でも驚く程に、はっきりとした意識で、今までのように正確な判断が出来るので、化学物質過敏症の人を騙すのは簡単ではないでしょう。

 それに、曖昧な記憶とはっきりした記憶と混合されているので、化学物質過敏症の人を説得するのも手間がかかると思います。またそのときどきで意見や判断をクルクル変える印象を与える場合もあります。(その時の状態で相手への返事がうまく出来なかっただけの場合が多いのですが…) 

 今のところ、化学物質過敏症の患者さんが、どのタイミングでどのような症状や意識障害がどの程度出ているかは本人もわからない上に調べる方法がありません。

 おわかりになりますか?

 このような現状なので、化学物質過敏症の人から意思確認を取ること自体が非常に困難で、多くの人がひどいときは裁判などのトラブルを発生させています。

 しかし、本当は化学物質過敏症の立場に立てば方法はあるのです。ヒントとしては、感作されている状態とされていない状態がある事です。だから、時間がかかりますが、日時や場所をかえればいいのです。

 化学物質過敏症の人には時間と記録が必要なので、メールなどの文章でやりとり(健常者には難解な文章で嫌がられるが…)にしてもらうか、 ボイスレコーダーなどで気になることは録音しておくのです。

 私もそうでしたが、会社勤めの方は、ほとんどの方が化学物質過敏症でなくても、日時の改ざんが難しい方式で記録をとっていると思います。言った言わない、指示があったないで大きなトラブルが発生するからです。

 しかし、ビジネス上のトラブルは記録を取り出し、確認する事はほとんどありませんでした。それは、自分の記憶の範囲で論破することが出来ていたからです。

 化学物質過敏症になってからは、曖昧に途切れている記憶に、今までのように当たり前に出来ていたことに自信がなくなり、トラブルは多くなりましたが、ボイスレコーダーで記録をして、頻繁に相手との意思疎通に間違いはないかチェックするようになってから、トラブルは軽減されています。

 私は、視力や嗅覚が怪しいので、聴力に頼ったほうが、いいような気がします。実は小説も文字校正がとても苦手になり苦戦していましたが、Microsoft Edgeの音声読み上げ機能をつかった音声校正にしてから随分と助かっています。

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