本人や周囲の戦い|対応ひとつで

文字数 883文字

【化学物質過敏症の人生は】
 家族や職場・学校の対応ひとつで決まります。

 さまざまな事例で、おわかりになっていただけたとおもいますが、もちろん「メーカーの責任」を前提に「個の考え方」が重要になってきます。現代社会で安全な場所はなきに等しく、まさに「個の考え方」が組織や家庭を動かしていくのです。

 多様なものの臭いが気になり始め、「神経質」とか「ヒステリー」「人の意見を聞かない」「頑固」という言葉が周囲から出てきて、人から避けられるようになります。

 この時期になると、思考力が不安定になるため、行動力が乏しくなり、ある一定の思考にしばられ、柔軟性がなくなり孤立し治療さえも拒絶して困難になる場合もあるので要注意です。

 問い合わせを頂いていた方も、急に攻撃的な文章になったり、拒絶したり、怒ったりします。

 過敏状態が初心者の人には自分が今どういう状況か把握できていませんし、何に注意をしたら良いかもわかりません。

 私だけでなく、多くの患者さんが始めは自分では気がつかないまま、医師や家族、周囲が驚くような行動に出ています。

 私も本当に苦しく耐え切れず、泣きながら道端で膝まずき「お願いですタバコを辞めてください。私を助けてください」と懇願しながら叫んでしまったことが幾度もあります。

 無関係の通行人には異様な光景として映ったはずです。やっている本人もびっくりし、とても恥ずかしいのですが、止められないのです。

 人は臭いに慣れる機能を持っていますが、その機能は稼働せず、研ぎ澄まされた過敏状態のコントールが出来ずに、我慢できないあらゆる臭いを常に感じ取り、不定愁訴で苦しみ抜き精神状態はクタクタです。

 そんな光景を見る側になるのか?それとも…?

「メーカーの責任」と「個の考え方」との二面性を持つ、「影響を及ぼす」「過度」「空気中に存在している」という3つのキーワードの事例でもわかるように、なにかひとつ改善できればすべてうまく行くわけではありません。

 すると、当面、私たちが出来ることは自分や家族、周囲の人を守るかどうかの「個の考え方」ひとつになってくるとは思いませんか?
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