とにかく逃げ出したい

　とにかく逃げ出したい。責任や苦悩や軋轢や夢や欲や社会や美学や未来や過去や自分から。とにかく逃げ出したい。

　心中にそんなモヤモヤがありつつも、正直私のメンタルは意外に丈夫で毎日を誰にも気付かれることなく生きている。道化だ、道化。
　などと、心中をそう言語化してみるものの、正直言葉で書く程深刻でもない。そして、何から逃げたいって、自分の不甲斐なさだろう。家庭をもっているのにこんなに頼りなく、家庭に没頭し切ってもおらず、できれば数日一人にして欲しいと願っている、そんな自分。少しだけ高校生くらいの「この性格では、オレは結婚など出来ず、一人で生きていくしかあるまい」と覚悟していた頃の孤独を好む自分が顔を出している。