夏への嫌悪と希死念慮

文字数 838文字

私は高校生の頃から夏が嫌いで、夏が来る度(特にお盆あたりにかけて)死にたく(いや、消えたく?)なります。

嫌いになった理由は多分、ただ暑いということだと思うのですが、きっと中学までは部活もやっていて体力的に暑いのも耐えられたのでしょうが、高校では部活に所属せず、バンドマンになりたいと思っていた体力なき学生にとっては、暑さは耐えられざるものにヘンゲしたのでしょう。

そうなってくると、より意思の薄弱さが、薄まりに薄まり、弱くなりにけり弱くなりにけり、と言った状態となり、今では仕事すら「やりたくない」と独り言をボソボソ呟きながらやっているという(てい)たらく。三遊亭円楽。グッドラック。

もし、これを見る若者がいるならば、どうか参考にしてほしい。こんなオジサンでもなんだかんだと結婚し、子供を育てている。世の中というのはそんなに生きるのが難しく出来てはいないのだ(暑さを除いて)。君たちの年頃なら思い悩むこともあろうが、生きていればなんとかなるものだ。時間さえ経てば、沢山の失敗も苦しみも、大体は自虐ネタとして他人におどけながら話せるようになる。オジサンになるというのは、メンタルが段々鈍感になることを言うのかもしれないね。

ただ、昔に抱いた根となる部分は、例えば私などは「生きるの辛い」とかは、年が経ってもあまり変わらない。だから、日々気を付けて、あまり偏屈な思考に凝り固まらないように心掛けておいた方がいいよ。

それがオジサンからのアドバイスだ。


なお、このオジサンは今日も妻子がいるのに、若手女性社員とキャッキャして、まるで恋している女学生のように頬を染めているのだから、救いようがなく、そして人の見本となる男ではないわけである。もし、少しでも心に刺さるところがあると思った若者がいるのならば、君は人を見る目がないと自省するべきだ。こんなオジサン、信用すべきではないと。人を見る目を養わないと、と。

ただ、これでもオジサンは結構モテてきたから、それほど卑下する必要はないと申し添えておこう。
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登場人物紹介

チン・コロッテ

 よくチンチン(電車)に似ていると言われる五十代の男。職業は一級セクハラ士で、決め台詞は「坂道下る君の心の恋人、どうもチン・コロッテです」。アイドルに詳しくないが、アイドルという文字を見るとムラムラする。

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