結局普通の人間生活に慣れていない

文字数 501文字

 今日は妻子が病院だというので、繁華街に出て一人海鮮系の居酒屋の昼ランチに行った。ビールもクラフトビールにして、海鮮も地場のものを中心に数品頼んだ。昼間から飲むビールは格別だと聞いて、昔家で煽ったことはあったけれど、そのときは何も良いことがなかったが、こう街場で飲むビールは全然違う趣があった。

解放感。
これはいい。

 なるほど。世の中のおじさま達がこう昼から酒を飲む理由もこれであれば分かると納得して、あまり期待していなかった妙に美味しいクラフトビールと魚を食う。

 ビール一杯に三品で約四千円した。会計時に驚きつつも、これもまた一興と気持ち良く帰った。


 私は若い頃自分がサラリーマンになれるなど思えず生きてきた。自分は人間嫌いであり、誰かに従うことなどできそうになく、また生産性のない仕事をする自分に満足できそうもないと思い込んでいた。アイデンティティの確立が出来ていなかったことも無意識に手伝って、故に人と違うことを好んできたし、やってきた。だから、イマイチ普通の人間生活でどう自分の感情を処理すれば良いか分からないのだろう。普通に生きることに不器用で、下手くそなのだ。

 今日はそんなことに気付いた日。
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登場人物紹介

チン・コロッテ

 よくチンチン(電車)に似ていると言われる五十代の男。職業は一級セクハラ士で、決め台詞は「坂道下る君の心の恋人、どうもチン・コロッテです」。アイドルに詳しくないが、アイドルという文字を見るとムラムラする。

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