第73話 夢のような時間 ②

文字数 1,738文字

 耳の不調でお休みしていた八乙女光くんが復帰してのツアー。
 私は「光くんおかえり〜!」の気持ちを込めて、光くんのメンバーカラーである黄色のワンピースを着て行きました。
 ペンライトは黄色を灯して、「光くんあいたかったよ〜」と書いたうちわを持って。

 それでも光くんはちーっともこっちを向いてくれませんでした。。。

 前回で反省したというのに、やっぱり「もらえるものならもらいたい……」と思ってしまうファンサ。ファンサとは、コンサートでメンバーがファンに向かってニコッとしてくれたり、手を振ってくれたり、ジャンケンしてくれたり、投げチューをくれたり……ファンに向けてしてくれるサービスのことです。

 みんなそれがほしくて、一生懸命アピールします。ファンサうちわといって、うちわにファンサービスのリクエストを書いて掲げている人もいます。
 例えばこんな感じで……。

(画像はお借りしました)

 さすがに私はそれは自重しています。おばちゃんだもの……(T-T)

 前回のコンサートの感想記事にも書きましたが、オタ活をしている最中は自分の年齢を忘れています。もう気分は……私の中では25歳〜28歳ぐらいの設定です。ピッチピチの女の子の設定なのです。

 でも鏡を見るとそこに映っているのは……。いやでも我に返ります。

 いいと思うんです。現実を忘れて楽しめるのが趣味の醍醐味。心が活性化する。ときめく。潤う。

 でも、はたから見た時、例えば同じコンサートに来ている自分と似たような年齢の人が、身勝手な振る舞いをしているのを見ると「ああはなりたくない」と思うのです。

 だから、もうすでに自分もずいぶん「イタイ」とは知りつつ、「これ以上はやめておこう」というラインが一応あります……。

「ファンサうちわを掲げる」のは、私の中では「やめておこう」なことなのです。その感覚は人それぞれなので、いくつになったからダメということではないと思います。言うなら、「ファンサうちわを掲げたいなら、日頃から節制して、まずこの中年太りをなんとかして、身だしなみにも気をつけて、美を心がける」そのぐらいの心意気がないと……と思うのです。

 だって、メンバーのみなさんはそれはそれは見目麗しい。テレビ越しならまだしも、直接会って(コンサートで、ですが)コンタクトを取りたい(ファンサをもらうということです)なら、それなりに努力して綺麗にして来いって話です。

 それをせずにいい歳こいて厚かましくファンサを貰おうとするな! と、私を客観的に見る私が言います。

 ファンサうちわは掲げません。
 でも、今回も「あわよくばファンサがほしい」と思っている自分がいました。

 前回は神席だったので、目の前を何度もメンバーが通り、隣に座っていた次男はいっぱいファンサをもらっていました。私もおこぼれファンサを知念くんからいただきました。あの輝かしい笑顔、目に焼きついています。

 今回は結果的にはファンサはもらえませんでした。

 でも「こっち向いてくれてた気がする」と次男は言います。
 私も「そうやなぁ。そんな気がする」

 それだけでもうれしい。

 今回は途中で我に返り「ファンサをほしがるんじゃなくて、純粋にコンサートを楽しもう」と思えました。ファンサは奇跡なのです。欲しがって欲しがって、もらう……それもいいと思いますが、私はもうこんなおばちゃんなので、コンサートを心から楽しむことを第一に、それでもしファンサという奇跡が降ってきたらうれしい……と、順番を変えることができました。考えてみたら当たり前なのですが。

 そう思って素敵なコンサートを堪能して帰ったのですがね……。

 翌日も京セラ2日目の公演に行ったUちゃんがですね。
 がっつりもらったそうなのですよ……。推しのファンサを……。

 うぉぉぉぉぉ〜〜〜…………‼︎

 やっとファンサを欲しがらずにコンサートを楽しむ、という平静な心を得られそうになっていたというのに……。

 そんな話を聞いてしまったら……。

 また次に、Hey!Say!JUMPのコンサートに行ける機会があったら、その時の私はどんな振る舞いをしているでしょう……。

 うふふ。
 まぁ、それもいいか。

 お読みくださりありがとうございます。

 つづく(予定)
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