第63話 正気に戻っての羞恥心

文字数 3,755文字

Hey!Say!JUMP 和歌山のコンサートに参加しての出来事や感想を綴ります。

3年ぶりのコンサート。
コロナ禍でコンサート自体ができない期間があり、やっとツアーが決定してもチケットが取れていたのに中止になったり、行けなくなったことが2回。(前記事に詳しく書いています)
自然と思いも強くなります……。
コンサートの数週間前からふわふわぼわぼわと浮き足立って平静さを失いつつ、なんとか日常をこなしていました。(こなせていたのか⁈)

そもそもの心配はコロナ感染です。自分が感染したら行けないのは当たり前ですが、家族が感染して濃厚接触者になっても行けません。家族にも「慎重な行動を頼むよ‼︎」と念を押し……。

次の心配は台風。

コロナにしても台風にしても、仕方ないのです。コロナについては多少自衛できますが、そうしていても罹る時は罹る。台風に至ってはどうすることもできない。祈るしかない。

ハラハラしながらなんとか無事に当日を迎え、本当にホッとしました。
やっとです。

1日目。10月1日昼公演。
今回のチケットは一回の申し込みで一緒にチケットを取れるのは2人分まで。(申し込み自体はダブらなければ何度でもできます。当たるかどうかは別として)前は一度の申し込みで4人分まででした。

なので、1日目は私と次男2人分のチケットを申し込みました。
別でチケットを取ったヲ友達と和歌山駅で合流し、会場までの道すがらわちゃわちゃとオタトークに花を咲かせ、和歌山ビッグホエールに到着すると、入場までの時間、持って来たうちわやアクリルスタンドを出して写真を撮ったり、お土産交換をしてオタ活を楽しみました。ちなみに次男は普通にオタクの一人として会話に入ります。昔からママ会にも平気で馴染む子でした。

次男は小学6年生。
残る3人は正真正銘アラフィフです。

周りを見渡すと、お若いお嬢さん方がほとんど…。たま〜に私たちと同世代かな? という方もおられますが、やっぱり割合としてはお若い方が7割? 8割? 9割?? お子さんを連れたママさんもおられますが、お若い。あ、カップルやご夫婦かな? といった組み合わせもチラホラおられました。ライブTシャツを着た男性もけっこうお見かけしましたよ。ただの付き添いかもしれないですが、嫌々ついてきてる訳ではなく、好きだから来てるんだという様子の方が多かったです。男性も「ジャニーズ好き」を公言できる時代なのですね。うちの次男もなんの躊躇もないですが……。

そんな状況ですが、もうね……忘れるんですよ、自分の年齢を……。
「若い人はいいなぁ〜」という話題はしょっちゅう出てきます。おしゃれして、ツアーのイメージに合わせてコーディネートしたり(今回はモノトーンコーデが多かったです)、メンバーカラーを上手に織り交ぜたり(髪をメンバーカラーに染めたり!)、双子コーデ、ツアーTシャツをかわいくアレンジなどなど……。

「いいなぁ〜^^」
「若かったらあんなふうにしたかったなぁ〜」

などとかわいらしいみなさまを微笑ましく眺めています。

今回のツアーTシャツは今どきの流行りなのでしょうか、丈が長めでメンズライクなダボっとしたデザイン。分厚めの真っ白な生地に黒のシンプルなロゴが入ったものでした。

コンサートグッズはコロナ禍でネット販売のみになりました。コンサート会場で並んで買う負担がなくなって本当によかったです。ヲ友達はグッズを買うためだけに5時間並んだことがあると言っていましたよ。コンサート始まる前に倒れてしまう……。


 下に敷いている白いのが今回のツアーTシャツです。うちわやペンライトにつけようと思ってタッセルを作りました。メンバー全員分の色を作ってヲ友達にもプレゼント。グッズを事前に買えると、アレンジもできるので楽しいです。

Tシャツに話を戻しますが、シンプルなデザインだし、お尻も隠れそうだし、これなら私もコンサートに着ていけるかも! と家で着てみたのですが、鏡に映る私は……とにかく着て行くのはやめました。次男が喜んで着て行きました。

頭の中の自分と、実際の自分に乖離が生じています。鏡や写真を見るとガーンというかショックというか……。あーあ、です。

それでも普段よりは少しおしゃれをして(いるつもり)待ちに待ったこの日に臨みました。

もう心は周りにおられる若いお嬢さん方と同じ(つもり)なのです。

コンサートの席は、当日デジタルチケットを入口で提示して紙チケットが機械からウィーンと出てくるまでわかりません。

と言っても、規制入場がある場合はどのゲートを指定されたかでおおかたの予想はつきます。予想は大体当たります。

和歌山はゲートが1ヶ所なので、行ってみるまで席は全くわかりませんでした。

緊張の一瞬。

裏側が上になって出てくるチケットをそのまま受け取って、邪魔にならない場所まで移動し、ドキドキしながら(おもて)を見ます。

どの席かな……。

「キャー」とか言ってる人はいい席が当たった人。
そうでない人は静かに自分の席に向かいます。

1日目。

私と次男のチケットに書かれていた席は

『スタンド1列目』

目を疑いました。
がっかりするのがこわいから、期待しないように、期待しないようにしていたのです。

「え? ほんまに? 一列目って書いてる?!」

次男と顔を見合わせて。

ヲ友達もアリーナ席の良席が当たっていました。
帰りの待ち合わせの場所を確認して
「楽しもうねっ!!」
と言い合ってそれぞれの席へ向かいました。

席について会場を見渡すと……

和歌山ビッグホエールは神ホールなのですね。
どの席もステージに近い。
たとえスタンドの1番上でも距離にしたら全然近い。キャパ8000人なので、贅沢なホールですよね。
そのなかでもスタンドの最前列というお席をいただきました。

ひゃ〜ですよ、、、

トロッコが目の前を通ります。
トロッコが目の前に止まります。
メンバーがすぐそこにいます……。

理性が吹っ飛びました。

「こっち向いて〜!!」

大きな声は出せませんが、マスクの中で何度も(小さく)叫びました。

ですが。

そんな場所なのに。

ほんとに誰もこっちを見てくれない。

手を振ってくれたりニコッと笑ってくれたり、とにかく自分に向けてのファンサービス(通称ファンサ)が欲しい!! などという年甲斐もない行動をしていました。

いや、歳は関係ない。
ファンなんだからファンサは誰でも欲しい。
なんだろう……。
あの時の自分を客観視すると恥ずかしさが込み上げてくるのです。

横にいる息子は前の記事にも書きましたが「子ども」「男の子」という珍しい存在で目に留めてもらいやすく、しかもツアーTシャツ着てるし、メンバーのうちわを、前に来てくれたメンバーのものに上手に持ち替えたり、ペンライトもそのメンバーの色に変えたりしてたそうです。
「当たり前やん!」
と言っていました。

そんなだからファンサゲットしまくり。
その横に座る私は「ついでに私にも〜」という気持ちでひっしでうちわや手を振っています。
でも誰も見てくれない。

いのちゃんなんて……いのちゃんなんて
息子にはニコッとしてギャルピースまでくれたのに。その横の私には「お前なんか見るか」と言わんばかりにプイッと……。

そうではないのです。きっとそうではなく、自分のファンを探しいるだけなのです。いのちゃんは「今回のツアーグッズの伊野尾慧のうちわを持ってる人にファンサをする」と公言していたそうです。
前のコンサートのうちわもダメ。
ちゃんと有言実行してるだけのことです。

でも「プイッてされた……」「どうせ
私はおばさんだから……」「お前なんか見るかって思ってるんやろうな……」などと卑屈な気持ちになり。(そう思うのもある意味厚かましい)

それがいのちゃんなだけにある意味ネタです。

「伊野尾め……もうキライッ」(笑)

でもよく考えたら隣に座る息子にファンサをくれたんだから、理性さえ働いていれば私は「ありがとうございます」とにこにこ笑って見ているか、もし目が合うならペコっとするとか、そういうのがスマートですよね。

なにをあわよくば自分にもファンサくれ的な行動を取って……。
ああ恥ずかしい。。。

でもね。
前記事にも書きましたが、知念くんは笑ってくれたんです。
息子にはニコーッとして手を振ってくれました。そしてその横にいる私にもニコッと。
あの笑顔、眩しくて神々しい笑顔、今もはっきり浮かびます。

ついででもなんでもうれしい。
ありがとうです。

その話をヲ友達にしたら
「知念くんは意識してるって言ってたよ。親子連れには意識してファンサするって」
と。きっと雑誌かなにかのインタビューでの話ですよね。
すごいなぁと思いました。
それって…なんて言うのでしょう。
おこがましいですが、敬意のようなものをもらった気持ちになりました。
なんて素敵な人なんだろう。

いのちゃんはいのちゃんで素敵です。
いつもそうだから。徹底してる。しかも話題提供が本当に上手。
私も逆にネタにしていつまでも言うと思います。
「いのちゃんにプイッてされた!!」
って(笑)

「恥も忘れてファンサを欲しがる自分」
をちょっと反省しました。

ファンサを欲しがることが悪いのでは決してなくて……。
なんやろう……最低限の理性は保っていたい。(当たり前)

強くそう思いました!

つづく(予定☆)
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