エピローグ
文字数 1,829文字
先生の死は、瞬く間に知れ渡った。
LGBT計画などのことは隠し、「ロボットの稼働年数が限界に達した」とウソをついたが、生徒たちの動揺は大きいようだ。
僕は、麦畑の中で佇んでいた。
茜がいつも懸命に耕していた麦畑だ。
それから、しばらくの間、僕たち三人は単独で行動した。
僕は、麦畑の世話。
ユーリィがクラスの授業。
そして、茜は・・・
それは、久々の三人そろっての笑い声だった。
黄金の絨毯みたいな麦畑の中で、僕らは時間を忘れてただただ笑いあった。
まだ、先生を信じていた、あの頃のように・・・
茜が冗談で撃った矢は、遥か上空へと飛んで行った。
僕らはただただぼんやりと、矢がどこまで飛んでいくのかを眺めていた。
黄金色の麦畑の中で、ゆっくりと時間が流れる中で・・・
終わり