禁止区域2
文字数 2,369文字
茜は特殊ボウガンで、そのロボットを狙っている。
機械による合成音声は、今まで聞いたことのないような、石のような無機質さ。
それだけに恐ろしい。
そのロボットはよく見ると、メイドのような恰好をしていた。
無表情だが、大人しく従順そうにも見える。
そこには、数十台のモニターが敷き詰められていた。
さらに、その学園は学園の内部を映し出しているようだった。
薫たちが団欒に使う校舎の屋上や、廊下など隅々までをつぶさに観察しているようだった。
僕らは、ユーリィの言う通り、手分けして探索した。
本当に守護壁の中は広い。学園と同じくらいの広さなんじゃないか。
僕は警戒しながら奥へと歩いていく。
うん? なんだかファイルがあるぞ。
「LGBT計画の改善について……? 『……すでに破綻した計画をこれ以上実行するのは不可能であり、これからは子供たちを一人でも多く生存させることを目的とすべきである。いずれ、もう一度世界を復活させるために……!』……なんのことだろう?」
けれど、僕はそれが事実だと分かっていた。
ただ、認めたくなかっただけだった。
あの無機質に「侵入者を排除する」と繰り返していたメイドロボが、僕らを優しく見守ってくれる先生ロボと同じ声をだったなんて……