ラストボーイ
文字数 1,137文字
チュンチチチ、という小鳥の鳴き声と共に、僕は日差しの温もりを感じて起きた。
殺風景な部屋に、殺風景な白い天井。
三人暮らしの日常がまた始まるんだ。
僕は少し下がって、左手を後ろにつく。
もう、ユーリィはいつもこうなんだから・・・
ムニュリ。
そこには、とんでもなく柔らかい感触があった。
ふわーあ。
おはよ、薫。いいのよ、薫だったら・・・お姉ちゃん、逆にちょっと嬉しいかな。
薫も、こういうのが気になる年ごろになったのねって、お姉ちゃんは少し感慨深いわ。
ま、ユーリィだったら”特殊ボウガン”で射殺してるところだけどね。
ガチャリ・・・。
茜は羆を退治するための大型ボウガンに矢をつがえた。
フフっ、そんなに死にたかったのね、ユーリィ。
いいわ、動かないでね。一発で楽に・・・!
目の前で、薫の体をこんなに汚されて・・・黙っていることなんてできないわ。
じゃあね、ユーリィ。
貴方と過ごした十五年……割と楽しかったわ。
むしろ、喜んでいるみたいね。
薫がここまで色欲に汚染されていたなんて……
お姉ちゃんが責任を取るしかないわ。
さあ、二人とも楽にしてあげる。そして、お姉ちゃんは自分で自分の頭に打ち込んで、全てを終わりにするわ。
引き金は引かれた。
矢は発射され、壁に突き刺さった。
それは、気持ちのいい日差しが窓辺を照らし出す朝だった。