赤い林檎2
文字数 2,575文字
その頃、僕たちは職員室を調べまわっていた。
例の「LGBT計画ファイル」・・・その全貌を突き止めなければいけない。
ここには、何か恐ろしい秘密が隠されている・・・そんな気がしてならない。
ふむ・・・これは・・・ヤバイかもね。
『・・・すでに狂った計画を、さらに推し進めるための計画。それが進んでいるというのが実態だ。すでにアンドロイドの機能は破損しており、元々の目的であった『子孫の繁栄と差別のない社会』という所からかけ離れ、『強い遺伝子を残す』という筋書きに乗っ取られたプログラムで動いている・・・か・・・』
ふむふむ・・・こりゃ、思っていた以上にヤバイよ。
・・・・・・
じゃあ、先生と一緒に別校舎までいきましょうね。
そうだわ、先生から最後にプレゼントがあるの。
さあ、これよ。綺麗な林檎菓子でしょう?
これは、”お別れ林檎”・・・この学園で、仲間から離れることになった子のためのお守りのお菓子よ。
美しい細工の施された林檎型の洋菓子。
先生ロボの手で綺麗に切り分けられたそれを、生徒たちは口に入れていく。
「おいし~」
「先生ってなんでもできて凄い!」
生徒たちは大喜びだ。
先生ロボと由紀は、二人で歩いて行った。
ちょうど別校舎があるという方角の道を曲がった所で、先生ロボと由紀は別れた。
由紀はこれから別校舎でまた、自分のパートナーを探すのだ。
一方由紀は、夕日の中を歩きながら少し熱を感じていた。
少し食べ過ぎたのだろうか?
汗っぽいし、少し胃の中がもたれている。
由紀は人差し指を喉の奥につっこんでみた。
情けないが、新しいクラスメイトの前で吐くよりはよほどいい。
由紀はよろよろと歩いていった。
そうだ、別校舎に行けば新しい先生がいる。
しかし、そこにあったのは信じられないような・・・
無数の墓石だった。