第1話 君の形に恋している

文字数 1,002文字

うーん、ふわーあ。

よく寝た・・・

ってキョウ君!?

なんで横にいるの・・・って、ああそっか。

今日から『恋習式』なんだっけ?

もちろん、男の子と女の子で何も起きるはずないけど

なんかヘンな感じね。

ねえ、キョウ君

相場響矢くん。

少年がゴロンと転がって、
あーあ。

あれ、ミドリちゃん・・・?

ああ、そっか。昨日は一緒に寝たんだっけ?

なんだかヘンな感じだね。

男女で隣り合って寝てさ。

ここは、恋愛用の学び舎で、先輩たちは男の子同士、女の子同士で寝てるのに。


そ、そんなはしたないこと言わないでよ。

私、まだ好きになった女の子なんていないわ・・・

それに、仮に好きな女の子ができても、一緒に寝るだなんて早いわ。

なんせ、私たち女子は・・・

愛し合う女子と一緒に寝ると、コウノトリさんが赤ちゃんを授けてくれる

んですからね。

ううん、羨ましいよね。

僕も赤ちゃんがもらえたらなあって思うし。

その相手はモチロン・・・
ゴンゴンとドアをノックする音が聞こえる。


キョウー、無事か? 緑に触られてないよな?

お前って、意外に女からの人気もあるんだから。


クウウ、こんなに大好きなのに、男々女々禁止令で、あんまり触れないのがつらいね。

お前のぷにぷにのほっぺた・・・

ああ、可愛い。

わあっ、優心!

いつも、さわりすぎ・・・

くすぐったい、アッハハハハ!

だ、駄目だって!

構わん。将来は、もっともっと触りまくって

・・・

そしたら、もっと可愛くなるかな。


おっと、キョウを触ってイジメる所を想像すると、涎が・・・

優兄ちゃん・・・ヘンタイさんなの。

そんなに触ってると、すぐに先生がくるの。



けど、キョウちゃんもまんざらイヤでも無さそう・・・?

というか、イヤよイヤよと言いつつ、身をよじっている

越後屋に抱かれるクノイチ的な・・・?


ヘンタイさんなの。どっちも。

バカなことを言わないでよっ!

僕はそんなヘンタイじゃないよ。

ああっ。

と、言いつつもスッカリ触られつくしてるわね。

・・・

そうよね~ やっぱり今の世の中、男の子同士、女の子同士でくっつく方が自然だものねえ。

かなり以前・・・三十年前の人たちとかは、性に奔放で男女間での恋愛もあったというけど。


キンコンカンコーン。
おはよう、子供たち!

今日も元気に、隣の男の子、女の子と手を繋いで目覚めたかな?


さあ、今日も元気に授業を受けて、恋に運動に勉強に音楽に!

ここでは、全てが自由!!


お外の危険に対抗するだけの力を身につけるために、張り切っていこう!!

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登場人物紹介

薫。

少しおどおどした性格だが、実は芯の強さを内に秘めている。最近、ユーリィからのイタズラに困りながらも、内心で期待してしまっている自分も感じている。同時に、隣で見守っている茜のことも気になっており・・・?

茜、十六歳の美少女。

薫に手を出そうとするユーリィを戒めるのが自分の務めだと思っている。

薫に対しては「お姉ちゃん」と自称するが兄妹ではない。

ユーリィ。十五歳でロシア人とのハーフ。

ひたすら薫に抱きつき、なんとか自分のものにしようとしている。

勉強も体育も学年一位。

しかし同時に、この世界に大人がいないことに違和感も覚えている。

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