第6話

文字数 977文字

「ぅぎゃあああああああああっ!! 死ぬぅううううううぅ!!!?」



と、今まさに断末魔の悲鳴をあげているのはヨシツネ…



時は今より数日遡る………





死神ジュンとヨシツネは、交代で神代高校を見張り続けたが、一向に妖魔を捕らえることが出来なかった。

それどころか見張りを続けている間にも、昏睡事件は起こり続けていた。

時にそれはジュンたちが見張っているすぐ近くで起こることさえあった。



まるでこちらからは見えないのに、向こうからはこちらが見えている…

そんな感じにも思えた。



決め手に欠ける死神ジュン陣営は、藤沢さんごを囮に使うことにした。

妖魔は一度狙った獲物を再度狙う傾向がある。

藤沢さんごを監視していれば、妖魔と接触する可能性は高い。



ヨシツネはこの作戦に大反対したが、ジュンが強権を発動して作戦実行することになった。

その代わり藤沢さんごを囮として泳がせている間は、ヨシツネが直接彼女のボディガード役を務める、ということでようやくヨシツネは納得した。



作戦当日、ヨシツネは藤沢さんご宅周辺に控えていた。

藤沢さんごを泳がせると言っても、彼女自身が家から出て来ないことには話にならない。

かといって連絡手段もないので、結局彼女が家から出て来るのを待つしかなかった。

もし藤沢さんごが家から出てきたら、偶然を装って出会い、その後の行動を共にする……

一歩間違えばストーカーだが、ジュンたちはそれに賭けるしかなかった。



幸いヨシツネが定位置に付いてすぐ、藤沢さんごが家から出てきた。



ヨシツネが下手な小芝居をしようとした矢先、藤沢さんごの方がいち早くヨシツネの姿を見付けた。



「あれぇ? ヨシツネくんじゃん! 今日はどしたの~?」



「う…… まぁそのなんだ…… ずっと家にいても仕方ないんでな… こうして散歩をだな………」



予想を超えた急展開に焦るヨシツネ…
態度や言動からも、ひときわ怪しさが目立つ。



しかし藤沢さんごはそんなことはお構い無しに…



「うん、私もちょうど退屈してたんだ~! 良かったら隣町まで付き合ってよ、ヨシツネくん?」



と、むしろ積極的だ。



そこで二人は隣町まで電車で移動し、なんとなくデートのようなものが始まった。



電車で20分ほど移動しただけなのに、隣町は今やゴーストタウンのような○○市に比べ人で賑わっていた。



「ねぇ、ヨシツネくん? 私遊園地に行きたい!」



藤沢さんごが突然そう言い出した。




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