第2話

文字数 649文字

事の始まりはこうだった…

○○県○○市…
ここで原因不明の昏睡で倒れる人が続出したのだ。

被害に遭った人たちのほとんどが外を歩いていた時に倒れたため、ガス漏れ説、謎のウイルス説、細菌兵器によるテロ説まで飛び出した。



死神ジュンは最初この件に関わる気はなかった。

しかし倒れた人の中で、最初の死亡者が出た時にそうも言っていられなくなった。



その人間は本来死ぬ予定ではなかったのだ。



『予定にない死』



そんなものを与えられるのは『妖魔』と呼ばれる(ことわり)を外れたモノたちだけである。



死神は死んだ生き物の魂を冥府に持ち帰るが、それは世の理に従ってやっていることで、死神ジュン自身が対象者を好きに選んで抹殺しているわけではない。



ところが妖魔はこの理に縛られることなく生命を食い物にする。



そう…
妖魔は生命エネルギーを自らの存在維持のため…
あるいは強化のために『喰らう』のだ。



妖魔に喰われた魂は輪廻の輪を外れ、妖魔の中でただの『養分』として消費されてしまう。



当然そこに『救い』はない。



事態を重く見た死神ジュンは、使い魔のヨシツネに命令して、被害のあった場所の地図を作らせたのだった。

それを見れば、妖魔の出現ポイントを絞りこむことができるかもしれない。



二人は地図をのぞきこんだ。

✕印がバラけているところから密集しているところを見ると、妖魔はある建物を拠点としているらしいことがわかった。


被害はその建物を中心とした半径約1㎞圏内に集中していたのだ。



死神ジュンは地図上のその建物を指差して言った。



「私立神代高校… 妖魔はここにいますわ!」



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