夜市に行く!

文字数 971文字

翌朝7時過ぎに我々は安田のマンションの前にいた。

今日はスカイラインは使わなかった。

いわゆる"電柱"は台北は無電柱化を進めている為あまりないので、建物の影から張り込みをしていた。

7時40分頃に安田は出勤の為にマンションを出てきた。

安田は最寄駅の淡水信義線圓山駅から電車に乗ると、中山駅で松山新店線乗り換え、南京復興駅で降りた。

そこから徒歩で5分ほどのビルの中に入っていった。

「株式会社梅屋ホールディングス」

は日本や海外で展開する大手牛丼チェーンだ。

私も日本でよく利用しているが、この台湾にも進出し、成功していた。

道の反対側にカフェがあり、ビルの入り口がよく見える窓側のカウンター席に座った。

12時が過ぎたところで安田がビルの入り口から同僚の男性2人と出てきた。

二人は和食の定食屋に入って行った。

そしてまた1時頃オフィスのあるビルへと戻っていった。

18時頃、安田は会社をあとにして、途中ファミリーマートによって弁当を買い、帰宅した。

この後、我々に「収穫」はなさそうだった。

ここで私と田中は中山の台北事務所に戻り、安田の妻に電話をした。

1日の調査費用は5万円で、これは相場で見れば格安といってもいいのだが、安田の場合は平日は浮気現場を抑えることは難しいと我々は判断し、金曜日から日曜日にかけての調査に限定するか、安田の妻に伺うことにしたのだった。

安田の妻はその案を賛成したので、我々は金曜日まで待機となった。

「夜市でごはん食べに行きませんか?」

仕事終わりの周が我々に声をかけてきた。

私と田中は周に連れられて、事務所から歩いてすぐの寧夏夜市に行った。

夜市は観光で来たことはあったが、この夜市は初めてであった。

まずはこの夜市の中でも老舗だという牡蠣オムレツの店に入った。

とろみのある餡の上に牡蠣が乗っている。
とても美味かった。

そして定番の胡椒餅を食べ、周に勧められて臭豆腐なるかなり匂いのきつい豆腐を食べた。(今まで避けてきたが、これは意外と美味かった。)

そして周は明日の仕事に備えてここで帰宅した。

その後私と田中は射的をやり、足裏マッサージを受けに行った。

念の為に言うが、これはデートではなく、同僚と台湾の日常を調査しているのである。

マッサージを受けた後、私と田中はスタバに行きフラペチーノを飲み、ホテルに帰った。

明日は台湾に来て初めての休日だった。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み