強風日の散歩(2024.2.27)

文字数 594文字

ビュン ざわ 
ビュービュン ざわわ
今日は風が強くて
樹々が大きく揺れる
わたしも思わず俯き目を瞑る

ひときわ大きく揺れるのは竹林で
吹き飛ばされそうになっている

風に身を任せ
風の思うまま

枝を広げる木に比べ
真っすぐに高く伸びる竹は
やはり弱さを感じる

今にも折れそうな笹越しに
青空を見上げると
わたしの体まで持って行かれそうになる

竹はしなやかだから
いくら風が強くても折れないのだ

そう思って
歩いていると
竹の根元はびくともしていない

地に足をつけて
いくら風が暴れても
びくともしない

上層部が大きく揺れるから
余計にどっしりとした強さを感じる

根元を見てから
空を眺めると
風に弄ばれているのではなく
風と遊んであげているようだ

上半身のしなやかさと
下半身の強さが竹を竹たらしめている

真っすぐに伸び
弱いように見えるけれど
真っすぐに伸びるためには
やはり根が根元が強いのだ

僕は上辺ばかりで生きていて
じっくりと足腰を持たず
根無し草だ

竹を仲間だと思ったのは
大きな間違いで
竹の足元にも及ばない

今、わたしの人生にも
強い風が吹き荒れている
必死に耐えようと風に抗って
歯を食いしばって生きている

このままでは
いつかポキリと折れてしまう

竹のように
根をしっかりと
信念であったり
考え方であったり
生き方であったり

それらが何もないから
僕は弱いのだ

上半身ばかり鍛えても
下半身を鍛えなければ
負けてしまう

風の強い日も雨の日も
思い切って散歩すると
何か発見があるものだ
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