走馬灯(2024.2.17)

文字数 254文字

小さな公園で
すべり台を見つけ
滑り落ちると
知らない町になっていた

小さな公園も
すべり台も消え
僕は女になっている

酔っていたから
すべり台を
滑らずに
落ちて
頭を打ったのかしれない

いや 違う
女ではなく
女の服を着ているだけだ

顎を触ると
無精ひげが
伸びている

いや 待て
女装パーティーに
参加していた

だから
僕は
僕のままだ

見知らぬ町は
子供の頃の町だから
懐かしい町だ

どうやら
僕は
死ぬらしい

走馬灯が
駆け巡り
女装のまま
死ぬらしい

僕は
女に
なりたかった

どうせなら
女になってから
死ねば良かった

後悔ばかりが
現実を
追い抜いていく

私が
僕を
追い越していく
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