(三)‐3

文字数 345文字

 そうして、大川はゆっくりと蓋を開けた。中には回路基板が入っていた。そして真ん中にデジタルタイマーが二つ上下に並ぶように取り付けられていた。タイマーの一つは20時と表示されていた。これは犯行予告をしてきた犯人が設定した起爆時間だろう。もう一方は、4分35秒を示していた。しかもこちらのタイマーは時刻をカウントダウンしていた。時間からして、蓋を開けると作動するようになっていたのだろう。即ち、蓋を開けるとあと5分で爆発するよう、セットされていたのだ。ネジにトラップはなかった。一体どこにセンサーがついていたのか。大川は基盤の上に懐中電灯の明かりを照らしながら確認していくと、それはあった。カウントダンしているタイマーのすぐ下の部分に黒い回路素子が取り付けられていた。大川は舌打ちした。

(続く)
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み