(三)

文字数 250文字

 大川と浅野は耐爆スーツのまま車道脇の橋の欄干をまたぎ、メンテナンス用の通路を進んでいった。大川が先行し浅野が後を追った。爆弾が入った箱を大股で跨いだ大川が振り返って箱の前でしゃがみ込んだ。浅野は箱を挟んだ反対側でしゃがみ込んだ。
 二人の手の懐中電灯が白い箱を照らしていた。上側には四隅のプラスのネジで蓋が留められているようだった。
 大川は耐爆スーツの腰についているツールボックスを開けて中からプラスドライバーを取りだし「上蓋のねじを外す。トラップはありそうか」とインカム越しに扇町に尋ねた。

(続く)
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