(三)‐5

文字数 232文字

 その無線を聞くと、大川は「浅野、お前は待避しろ」と言った。
「何言っているんですか、私も残ります。あと4分あれば冷却処理もいけますよ」
「バカか、お前はまだ新人だろ。足手まといなんだよ! さっさと待避しろ!」
「嫌です! 手伝います!」
 浅野は強く言った。
「お前、死ぬぞ」
「死にません! 絶対処理してみせます!」
「……わかったよ。基板を持ち上げる。お前は下からのぞき込んでスプレーを吹き付けて処理しろ」
 大川はそう言うと浅野はすぐに「了解」と力を込めて言った。

(続く)
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