(三)‐8

文字数 304文字

「浅野、早くしろ。普段から鍛えているとはいえ、そろそろ腕がヤバイ」
「待って下さい、今火薬を外します!」
 浅野はすぐさま腰からナイフを取り出した。そして片手で火薬を押さえながらゆっくりとベルトを切断した。カウンターは残り1分42秒だった。
 浅野が爆薬を手で押さえながら、大川がゆっくりと基盤を持ち上げた。何もなければスッと火薬が抜けるハズであった。しかし、火薬は抜けなかった。固定していたのはベルトだけではないかもしれない。基盤に直に繋がっている雷管が爆薬にしっかりとねじ込まれていて、これがとれないのかもしれない。いずれにせよ、下手に動かすとジャイロセンサーや加速度センサーが反応する可能性があった。

(続く)
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