(三)‐10

文字数 262文字

 大川は隙間をのぞき込んだ。基盤の奧には白く霜が付いていた。
 浅野がカウンターを見ると、二つとも明かりが消えていた。回路に流れていた電流がなくなったため、カウンターの光が消えたのだ。
 「これで一安心ですね」と浅野が言うと「馬鹿野郎、まだだ!」と大川に怒られた。
 続けて大川が「冷凍処理完了だ!」と言うと、インカムに「すぐに耐爆筒に入れろ!」と扇町班長の声が聞こえた。「電池を凍結させてもこのまま常温下にあると融けて再び通電する。一度電源が落ちたカウンターはリセットされるが、逆に通電が復旧するとその瞬間に起爆するぞ」

(続く)
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