第15話:子供たちが東京へ、渡田夫妻が、MM21へ

文字数 2,009文字

「父が、この不景気だから仕方ないが、子供が両親に仕送りならわかる」
「しかし、両親が、大学を出た子供たちに仕送りするのは、逆じゃないかと言った」
「それを聞いて、確かにそうだと元一が、面目ないと告げた」
「元一が、株投資をしたいので情報を下さいと言う、父がわかったと答えた」

「それを聞いて利恵は、了解と言い、なんとか、切り詰めても食べていきますと語った」うして渡田の2人子供たちが引っ越ししていくことになった。
「すると渡田惣吉と奥さんの2人では、今の住まいは、広くなった」
「でも、母が、急に静かになって寂しいわと訴えた」

「それに対し子供たちは必ず巣立っていくのが運命だから仕方ないさと話した」

「むしろ、内心では渡田惣吉の方が、寂しがっていた」
 やがて2010年を迎えた。この頃、渡田惣吉は、父の葬儀代と義理の両親の老人施設の支払いなどで投資資金から600万円以上を支出して投資資金が44000万円となった。

「そして成田に住んでいる必要もなくなり奥さんに、そのうち引っ越そうかと提案した」
「奥さんが、お金があるんだらか横浜で駅から近く海も近い場所が良いマンションに引っ越したいと言った」
「でも、みなとみらいは、とても高価だし、この先に何があるか、わからない」
「だから引越ししやすいように賃貸の物件を探そうと伝えた」

「こうして調べ始めると、リーマンショックの後遺症なのか賃貸物件も残っていた」
「横浜駅近郊で探し始めると東神奈川駅1分の所に築33で家賃15万円3DK64平米の物件を探した」
「築30年マンションは洋室7畳が2つ和室4畳半、ダイニングキッチン8畳と広かった」
「これなら子供たちが来ても泊まれると考え不動産屋に内検させてほしいと連絡した」

「了解してもらい翌週でかけた。出かけてみると多少古いことを除けば問題なかった」
「ただし、駅近くのビルを見ることができるが、海は見えない」
「しかしみなとみらいにも車で5分、行けると聞かされた」
「見学後、不動産屋の車でみなとみらい地区へ行くと東神奈川駅からガードをくぐった」

「その後、瑞穂ふ頭に向かい入り口前を右折していくと海沿いの新しい道が続いていた」
「曲がると直ぐに横浜中央卸売場を右手見てさらに行くとパシフィコ横浜、みなとみらい」
「その先に赤レンガ倉庫、横浜港、横浜県民ホール、左側に横浜港」
「右にホテルニューグランドとマリンタワーと、まさにメインストリートではないか!」
「ここに決めましょうと奥さんが言うと渡田惣吉もわかったと答えた」

 翌週の水曜日に電話が入り、敷金3ヶ月で家賃15万円で貸してもらえることになり必要書類を送って欲しいと言われた。郵送せずに、そっちへ行って、契約するよと答えた。こうして翌週、出かけた。駐車場は月3万円と言われ了解した。その後、4月上旬、引っ越すことにし引っ越し会社に連絡した。実質的には年間250万円前後の支出になる。
 
 すると渡田元一と渡田利恵から電話で訪問したいと言われ4月中旬以降なら引っ越しているから連絡してから来てと伝えた。こうして引っ越しをして、渡田元一と渡田利恵が、平日、水曜日に2人でやってきた。そして部屋に入ると思ったよりもしっかりしてると言った。一休みしてから車でドライブしようと告げると喜んだ。

 以前、不動産屋に教えてもらった海沿いの道を走ると素晴らしい景色を見て子供たちが素晴らしい景色ねと喜んでいた。しばらく行って、今日は、ホテルニューグランドでランチしようと言うと渡田利恵が、うれしいと笑顔になった。ホテルの駐車場に車を止めて海を一望できるレストランに案内された。そして前菜が出てきて続いてパスタ料理、最後に珈琲とショートケーキが出された。

 美味しいと喜んでくれた。公共の駐車場に車を止めて港の見える丘公園、元町、中華街へも行けるよと渡田元一が、驚いた様に言った。その後、渡田元一と渡田利恵が、別々に電話をかけてきて月に1回位、泊まりに来るようになった。渡田夫妻は、その後、天気の良い日は、臨港パーク、みなとみらいの商店街、横浜美術館などを散歩して回った。

  気が向くと横浜中華街、山下公園、元町、港の見える丘公園、外人墓地、本牧ふ頭にまで足を延ばすようになった。やがて秋を迎え、11月になると山下公園の紅葉が、黄色くなり素敵な光景となった。そして、中華街も多くの店を回り、好みの店が決まり、通うようになった。こうして、2011年を迎えた。この頃、長男の元一は、同じ予備校で働く本村八重さんと結婚を決意した。

 そして両親に連絡して1月15日、元一と本村八重さんが、みなとみらいの両親のマンションにやって来て挨拶をした。母が、元一に一緒に住んでいるのと、かまをかけられると、照れながら何でわかるのと聞き返した。女の勘よと笑いながら答え、結婚式はいつにするのと聞くと、予備校が、暇な、3月14日のホワイトデーと語った。
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