第24話:新型感染症で不景気とワクチン到着

文字数 2,068文字

 9月3日、JR東日本の定例記者会見で、同社の深澤祐二社長が2021年春のダイヤ改定で在来線の終電を30分程度繰り上げると発表した。対象となるのは東京駅から100キロ圏内を走る首都圏のほぼ全ての在来線となった。9月7日、政府系金融機関の日本政策投資銀行が5月に決めた日産自動車への危機対応融資1800億円のうち1300億円に政府保証を付けていたことが判明した。

 危機対応融資の政府保証額としては過去最大である。横須賀でも日産自動車、追浜工場で大勢に人達が、勤務している。その後、以前から神奈川県内での異臭騒ぎが、話題になっていた、それに関して10月14日に横須賀市内で採取された空気の分析結果を県が発表し、ガソリンなどに含まれるイソペンタン、ペンタン、ブタンが通常の7倍から14倍の濃度で検出されたと発表した。

 いずれも毒性は低く健康に影響はないが、原因は、いまだに分かっていない模様。この頃、既に新型ウイルス感染症問題で渡田惣吉は株投資を辞めた。しかし、11月11日、日経平均株価の終値が29年ぶりに2万5千円台に上昇し、さらに、その後、2020年中に2万7568円まで上昇した。これは、アメリカを中心として投資熱が盛んになったせいだと思われた。

 しかし、渡田は、リスクが、ありすぎて、新たに、日本株投資に手を出す気には慣れなかった。17日、格安航空会社のエアアジア・ジャパンが東京地方裁判所に破産を申請した。その後、即日、破産開始決定を受けた。負債総額は約217億円に上る。新型ウイルス感染症による航空会社の破綻は日本で初めてだが、航空業界は、思っても見なかった新型ウイルス感染症の影響をもろに受けた。

そのため、海外旅行が、事実上、不可能になっていて、その影響をもろに受けていた。そんな中、不景気な観光業を考慮して政府が、ゴー・ツー・キャンペーンと実施した。疲弊している旅行業界のため「ゴー・ツー・トラベル」、飲食店向けに「ゴー・ツー・イート」イベン、チケット代を補助する「ゴ・ツー・イベント」、商店街振興の「ゴー・ツー・商店街」などであった。

 渡田惣吉は、そんなイベントに参加する気はなく、まずは、新型ウイルスに感染しないことを第一に生活していくつもりであり、釣りや食品の買い物以外は、外出を避けた。この頃、渡田利恵は、英語教室も休みになる日が多くなり両親のマンションに来る日が多くなった。12月28日、日本政府も、とうとう、変異した新型ウイルスが世界各国で相次いで確認されている状況を憂慮した。

 そのため、新たな国内侵入を阻止するため、全ての国と地域を対象に外国人の日本への新規入国を一時停止した。年末、第71回NHK紅白歌合戦が行われたが、新型ウイルスの感染拡大防止のため、初めての無観客開催とした。NHKホールは、ステージを拡大し大型スタジオを歌手が歌う場所として感染防止の工夫を凝らし演出をし放送をした。こうして2021年を迎えた。

 1月2日、福岡県の田中カ子さんが、生年で確証のある日本人として初めて118歳を迎えた。その記事を見て渡田夫妻が、凄いねと言い、自分たちも100歳まで生きれるのかなと奥さんが聞くと旦那さんが、無理だと笑った。2020年12月21日に体調不良で議員辞職していた自由民主党の吉川貴盛議員が、検察により起訴された。

 それは、2001年1月15日、鶏卵生産大手の「アキタフーズ」グループ元代表から現金500万円の賄賂を受領したとして疑惑を持たれた吉川貴盛、元衆議院議員が収賄罪で在宅起訴された。この記事を見て政治家は、強いね。こういう人達が、100歳以上まで生きるんじゃないかと渡田が、笑いながら言った。

 1月20日、JR東日本や大手私鉄の各社は需要減少などを理由に3月に首都圏の終電繰り上げを予定していたが、各知事や国土交通省の要請を受けてこの日から終電繰り上げを実施した。最近は、感染防止の観点から、できるだけ在宅勤務でインターネット、パソコンを使い自宅で仕事する人が増えJRや私鉄も厳しいのではないかと渡田惣吉が、奥さんに告げた。

 おくさんが、このマンションでも在宅勤務の人が増えているみたいよと語った。そんな中、2月1日、自由民主党所属の松本純、大塚高司、田野瀬太道の各衆議院議員は、同年1月18日、東京都内の20時以降の不要不急の外出自粛要請を守らず23時頃まで銀座のクラブに滞在していたとして、この日に同党を離党した。2月12日、アメリカの製薬大手ファイザーが開発した新型ウイルスのワクチンを載せた航空機がブリュッセルから成田空港へ到着した。

 14日にも国内初の新型ウイルスのワクチンとして正式承認される見込みとなった。そして、2月17日、日本国内で初めてアメリカのファイザー製のウイルス用ワクチンの接種が始まった。2月18日、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の会長人事で同月11日に不適切発言を理由に辞任した森喜朗に代わって、この日に前国務大臣の橋本聖子が就任した。
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