第１４話：渡田の父の死、リーマンショック
文字数 2,022文字
しかし、この年、渡田惣吉の父が、７９歳で入所していた老人施設で、胸が痛いと言い、２００７年１１月２８日、近くの病院に運ばれた。それを聞いて、渡田夫妻と孫たちが、病院に駆けつけると既に、意識がなかった。その晩、心不全で、亡くなった１２月５日、成田の葬儀場で、葬儀をした。この時、母にどこに埋葬したら良いかと聞くと、この近く通いと言われた。
そこで成田の老人施設の近くのお寺にお願いしてお墓を建てることにして埋葬してもらうことにした。この時、沢野夫妻が、私たちもこのお寺に埋葬して欲しいと語った。というのは、渡田家も沢野家も貧しい農家で昔から小作人として暮らしていたので、以前、住んでいた波崎町には、良い思い出がなく、特に親しい人達もいないと述べた。
その後、渡田の母は、個室に移動し、沢野夫妻と仲良くしていた。こうして２００８年を迎えた。アメリカでは、既に２年前から米国住宅市場には変調の兆しが現れていた。さらに利上げに伴いサブプライムローンの延滞率は徐々に上昇していた。２００６年後半からは急速に高まり米国主要１０都市のケース・シラー住宅価格指数は２００６年６月をピークに下落をし始めていた。
２００７年夏、サブプライムローン関連の損失が、大手金融機関で、次々に発表された。２００７年６月、当時の５大投資銀行の一画であったベア・スターンズの傘下のヘッジファンドが、サブプライム関連の商品で巨額の損失を出してベア・スターンズに取り付け騒ぎが起きた。７月には、当時のＦＲＢのバーナンキ議長が、サブプライムローン問題関連損失が最大１千億米ドルに達する可能性があると言及した。
８月には、ＢＮＰパリバが傘下ファンドの買付・解約と価格公表を停止した。さらに９月には英ノーザンロックに緊急融資が行われ、イギリスで１４０年ぶりの取り付け騒ぎが発生した。２００８年３月、最大手の銀行のＪＰモルガン・チェースが、ベア・スターンズの買収を発表した。この時の買収価格は1株当りわずか２米ドル「２００７年１月時点では１７０米ドル」だった。
この買収価格は、様々な金融機関のバランス・シート上の資産価値に大きな疑問符をつけることとなり、その後問題は、加速度的に深刻化していった。９月７日、米財務省は、政府系住宅金融機関のファニーメイとフレディマックを政府管理下におくと公表した。９月１５日、当時、アメリカ第４位の投資銀行であったリーマン・ブラザーズが破綻し市場が、パニックになった。
これがリーマン・ショック、さらに翌９月１６日には、アメリカ最大手の保険会社であるＡＩＧの破綻懸念が、広がった。米国政府は、ＡＩＧ生命は、救済するが、リーマン・ブラザーズは破綻させることを選択した。このリーマン・ショック後、翌２００９年にかけて世界の金融市場は大きく調整した。リスクに対して感覚の麻痺していた資金が急速に逃げ一気にリスクオフが進み流動性リスクが顕在化し。
流動性の低い資産の中には、売買が、できなくなったものもあり、換金できるものが、優先して換金されたため、流動性の高い資産の価格下落幅のほうが、換金自体が、できなくなってしまった流動性の低い資産の下落幅よりも大きくなってしまうという奇妙な事態が、起こった。２００８年は、リーマンショックで、最悪の年となり２００８年は、ひどい状況の中、渡田利恵は、就職活動を始めた
優良な就職先は、採用を見合わせた。そのため仕方なく利恵は、東京の英会話の学校の教師を掛け持ちすることを選んだ。こうして毎週、渡田利恵が、講師となる授業に合わせて数件の英会話学校で、講師を始めた。しかし、朝、成田から東京へ行く列車は、いつも大混雑していたため渡田利恵が、東京の小さなマンションに引っ越したいと両親に告げると兄の元一も同じ事を言った。
そこで渡田の両親が、２人に２００万円ずつ送金してやった。そして、もし、金が、足らなくなったら連絡しろと話した。これに長男の元一と妹の利恵も、御礼を言った。この頃、証券会社の担当者からリスクが少ない金「ゴールド」価格に連動して動くＥＴＦ「上場投資信託」ＳＰＤＲゴールドシェアが、不景気な時に有利だと紹介された。
直ぐに関係資料が、送られてきて、じっくり読んでみると、担当者が、奨める意味が、良く理解できた。そこで、安くなったら電話してくれるようにお願いの電話を入れた。２００８年１０月２７日、早朝、証券会社の担当者から電話でＳＰＤＲゴールド･シェアの気配値が、６７２０円と安いので買いと言われ１万株、成り行き買い注文を出した。
この情報を長男の渡田元一に連絡すると、お礼を言われた。注文した結果。６７２０万円で、１万株買え残金が５１５１万円となった。こうして２００８年が終わり、２００９年を迎えた。 ２００９年夏には、元一と利恵が、同じ高層マンションを探してきて１ＬＤＫで家賃１０万円のマンションに入居した。
そこで成田の老人施設の近くのお寺にお願いしてお墓を建てることにして埋葬してもらうことにした。この時、沢野夫妻が、私たちもこのお寺に埋葬して欲しいと語った。というのは、渡田家も沢野家も貧しい農家で昔から小作人として暮らしていたので、以前、住んでいた波崎町には、良い思い出がなく、特に親しい人達もいないと述べた。
その後、渡田の母は、個室に移動し、沢野夫妻と仲良くしていた。こうして２００８年を迎えた。アメリカでは、既に２年前から米国住宅市場には変調の兆しが現れていた。さらに利上げに伴いサブプライムローンの延滞率は徐々に上昇していた。２００６年後半からは急速に高まり米国主要１０都市のケース・シラー住宅価格指数は２００６年６月をピークに下落をし始めていた。
２００７年夏、サブプライムローン関連の損失が、大手金融機関で、次々に発表された。２００７年６月、当時の５大投資銀行の一画であったベア・スターンズの傘下のヘッジファンドが、サブプライム関連の商品で巨額の損失を出してベア・スターンズに取り付け騒ぎが起きた。７月には、当時のＦＲＢのバーナンキ議長が、サブプライムローン問題関連損失が最大１千億米ドルに達する可能性があると言及した。
８月には、ＢＮＰパリバが傘下ファンドの買付・解約と価格公表を停止した。さらに９月には英ノーザンロックに緊急融資が行われ、イギリスで１４０年ぶりの取り付け騒ぎが発生した。２００８年３月、最大手の銀行のＪＰモルガン・チェースが、ベア・スターンズの買収を発表した。この時の買収価格は1株当りわずか２米ドル「２００７年１月時点では１７０米ドル」だった。
この買収価格は、様々な金融機関のバランス・シート上の資産価値に大きな疑問符をつけることとなり、その後問題は、加速度的に深刻化していった。９月７日、米財務省は、政府系住宅金融機関のファニーメイとフレディマックを政府管理下におくと公表した。９月１５日、当時、アメリカ第４位の投資銀行であったリーマン・ブラザーズが破綻し市場が、パニックになった。
これがリーマン・ショック、さらに翌９月１６日には、アメリカ最大手の保険会社であるＡＩＧの破綻懸念が、広がった。米国政府は、ＡＩＧ生命は、救済するが、リーマン・ブラザーズは破綻させることを選択した。このリーマン・ショック後、翌２００９年にかけて世界の金融市場は大きく調整した。リスクに対して感覚の麻痺していた資金が急速に逃げ一気にリスクオフが進み流動性リスクが顕在化し。
流動性の低い資産の中には、売買が、できなくなったものもあり、換金できるものが、優先して換金されたため、流動性の高い資産の価格下落幅のほうが、換金自体が、できなくなってしまった流動性の低い資産の下落幅よりも大きくなってしまうという奇妙な事態が、起こった。２００８年は、リーマンショックで、最悪の年となり２００８年は、ひどい状況の中、渡田利恵は、就職活動を始めた
優良な就職先は、採用を見合わせた。そのため仕方なく利恵は、東京の英会話の学校の教師を掛け持ちすることを選んだ。こうして毎週、渡田利恵が、講師となる授業に合わせて数件の英会話学校で、講師を始めた。しかし、朝、成田から東京へ行く列車は、いつも大混雑していたため渡田利恵が、東京の小さなマンションに引っ越したいと両親に告げると兄の元一も同じ事を言った。
そこで渡田の両親が、２人に２００万円ずつ送金してやった。そして、もし、金が、足らなくなったら連絡しろと話した。これに長男の元一と妹の利恵も、御礼を言った。この頃、証券会社の担当者からリスクが少ない金「ゴールド」価格に連動して動くＥＴＦ「上場投資信託」ＳＰＤＲゴールドシェアが、不景気な時に有利だと紹介された。
直ぐに関係資料が、送られてきて、じっくり読んでみると、担当者が、奨める意味が、良く理解できた。そこで、安くなったら電話してくれるようにお願いの電話を入れた。２００８年１０月２７日、早朝、証券会社の担当者から電話でＳＰＤＲゴールド･シェアの気配値が、６７２０円と安いので買いと言われ１万株、成り行き買い注文を出した。
この情報を長男の渡田元一に連絡すると、お礼を言われた。注文した結果。６７２０万円で、１万株買え残金が５１５１万円となった。こうして２００８年が終わり、２００９年を迎えた。 ２００９年夏には、元一と利恵が、同じ高層マンションを探してきて１ＬＤＫで家賃１０万円のマンションに入居した。
