ナナシとツイッター
文字数 1,643文字
前の席に座っているのだから
なんら不思議なことではないのだが、
ナナシからすれば不思議らしい。
あの、
自由に思ったことを発言出来ると
意気揚々ではじめてはみるが
当初はフォロワーが付かなくて
がっかりして寂しい思いをし
付いたら付いたで、フォロワーが減るのが気になって気になって仕方なくなり、フォロワー数の増減で一喜一憂し
DMで挨拶されても
ただの挨拶なのか
発言を求められているのかわからず
こちらから積極的に行っても
こいつうぜぇと思われるかもしれないし
儀礼的な挨拶だけで済ませるべきなのか、
返信をどうするべきか延々と悩むことになる
そして、フォロワーに配慮する余り、自分の意見を言うどころではなくなり
やがてROM専化し、タイムラインの流れを見るだけになってしまい
結局、やっぱり陰キャはネットでも陰キャであることを痛感させられ
鬱になって死にたくなって来る
メンタル破壊ツール、アレのことか?
もしくは、
数万のRTやいいねに
承認欲求が刺激されて、
ツイートする内容、動画や画像、発言などが、ついつい過激なものになって
しまいには後に引けなくなり
エスカレートし過ぎて
一線を越えて大炎上、
実生活にも多大な被害を及ぼすという
世間ではそうした者達をバカッターなどと呼び、〇〇発見機などと呼ばれている、アレのことか?
もしくは、
世論の動向を見据えながら、
炎上しないギリギリのラインを探り、おそるおそるイキッた発言をし合う
ラインの見極めを間違えて、言い過ぎてしまうと人々から叩かれ大炎上してしまうという
数十万人単位のレベルで
チキンレースが行われている、アレのことか?
他人に途中で遮られることなく
最後まで喋り切りたいという
ユニークな悪癖を遺憾なく発揮し
気持ち悪い甲高い声の早口で喋り続けたナナシ。