文字数 333文字



それはそれは美しいものでした
言い表せないくらいの
美しいものでした
内から湧き出るその強さと
隠しきれないしなやかさに
心を奪われてしまいました
口をついて出てくる言葉までもが
心の中に染み渡り抜けていく
その眼差しに魅入られたら
虜になるしかないのでした
閉じ込めてしまわないと
眩すぎて安らげないくらい
全てのことを研ぎ澄ませて
あなた以外の存在を
許して貰えない気がして
僕は見つめ続けることに
耐えられませんでした
あの花の香りも滴る水の煌めきも
全てあなたの元では
ただ存在するだけのものでした
あなたの美しさは
全てを超越してしまい
全てどうでもよくしてしまいました
その美しさの前に
なすすべもないままに
いつしかぼくらは
終わりを迎えるのでしょう
あなたのその美しさの前には
ただ存在するだけのモノだから
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