文字数 254文字



何気ない一言が
僕の目の前の
薄っぺらいベールを
大きなハサミで
ザクッと音を立てて
切り裂く
時に大胆に
時に繊細に
ステレオタイプに
感じてた事が
突然どうでも良くなる
昨日まで
あんなに毛嫌いしてたことも
拘っていたことも
右足から履いてた靴も
突然どうでも良くなる
どうでも良くなって
楽しくなった
曇り空から
太陽の日差しが
差し込んでくるような
雷に打たれたような
開放感が
春の嵐の突風のように
僕を抜けていく
なんてことない事に
隠されてた
僕の何かが目覚めて
何度目かの
ハッとする事に
今日も出会えた
初めましての僕
また一つ
大人になった
初めましての僕
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