文字数 403文字



飲み干した空のペットボトルに
深いため息と一緒に
叶わない思いの丈を閉じ込め
ゴミ箱に捨ててしまう
微笑む笑顔だけを
遠くから眺めるのが
僕にはちょうどいい
淡い時代の恋心が
壊れてしまう瞬間は
世間は狭いのだと
思い知らされる切ない時間
ついさっきまでの
少しぬくい気持ちが
卒業まで続いてくれるだけで
僕は良かったのに
初恋なんてかなわない事を
今の僕でも十分くらい
わかっているから
ついさっきまでの
少しぬくい気持ちが
卒業まで続いてくれるだけで
僕は良かったのに
こんな日に欲しいものがあって
街に出てきてしまった僕は
心揺さぶられて
何も買わずに逃げ出した
明日からの
ささやかな楽しみは
もう永遠にやってこない
その微笑みが
最初から僕には届いてない事
わかりきってたけれど
現実にはしたくなかった
明日からの僕の
たった一つのご褒美が
なくなってしまった悲しみに
流した涙を星空に隠して
卒業までのつまらない数を
数えて眠ろう
さようなら僕の初恋
さようなら優しい微笑み



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