２７

僕はただ見ているだけかもしれない
僕はただ釣りをしているだけかもしれない
僕は餌を撒いているだけかもしれない
ガラクタもたくさん落ちてくる
要らないから沈んでいくのを
僕はただ眺めてるだけかもしれない
空っぽの容器だけ浮かんでる
右から左へ流れていくのを
僕は目で追っているだけだけかもしれない
僕はただ彷徨ってるだけかもしれない
そんなたくさんのたくさんの何かの中に
時々小さくてかぼそい声が
大切に大切に作り出した言の葉に乗せて
君のその声が聞こえる
消えそうな温もりを
掬い上げて陽の当たる場所で
一つ一つ大きな花を咲かせるまで
僕はただ眺めてるだけかもしれない
そして思い出したかのように
綺麗な小舟に乗せて浮かべてみる
僕のほんの気まぐれなのかもしれない
誰かのためにその言の葉を読み上げるのも
僕のただの暇つぶしなのかもしれない
大きな花を咲かせることになっても
僕はまたそこにいて
ただただその行く末を
眺めてそして
暇つぶしに応えるだけかもしれない
僕はみつめている
僕は
僕は