文字数 530文字



頼んだはずのモノが僕だけ来ない
みんなはもう半分は食べ終わって
何となく察して待っている
店員さんに伝えたら慌ててる
同じものを別の人に先に出したらしい
偉い人が頭を下げに来た
お詫びにとオーダーしてない
スィーツを出してくれた
みんなが嬉しそうだったから
ちょっとモヤモヤしたけど
大人がないから許す事にした
青信号だから渡り出した横断歩道
自転車に乗った学生が
目の前をギリギリで横切った
物凄い人通りだからすぐに
見えなくなってしまったから
何事もなかったように僕は
向こう側まで渡り切った
なんだろうこの込み上げてくるもの
怒りかそれとも無知への憐みか
きっと後何時間も心の中に
小さな棘のように僕を静かに蝕む
君はそのくらいなんて事ないって哀憫に笑う 
ひどい話だけれど若さがなくなったせいか
それとも僕に多少大人になったからなのか
不平不満でいつか爆発してしまいそうだ
何年か前大人たちは僕らに
きっとこんな怒りを沸々と
激らせていたのだろう
笑顔の下にそっと隠して
自分がされて初めて
僕たちのして来たたくさんの
些細なことと鼻白んでた事に
ブーメランしてきて受け止めてる
そう思うと今日のそんな事たちは
お酒と一緒に僕の奥底へと流された
せめて明日は僕だけでも
迷惑をかけないように生きよう
誰かに舌打ちされても怒らずに



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