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文字数 398文字



ことばに意味を求めると
止めどなく何かに囚われて
手も足も不自由になって
気がつけばまっすぐ進むことすら
僕から奪われていく
もっと自由に
もっと高く
もっともっと
僕は僕らしく居たいのに
君は考えすぎるんだと
奈落に突き落とされる
暗闇には何もない
僕の居場所も
陽の光も
何もない
僕はいま何もない
君は何もわかってない
また嘲笑う声
僕はこれ以上ない深い場所に
転げ落ちてきた
音もない世界
時間も流れてない
何もない
何もないのに
僕は
僕は
僕はここに居た
何もなくない
僕はここにいる
心がある
叫ぶ心がある
僕はここにあるのだ
意味なんて
要らなかった
僕がいるのだ
やっと気がついたのか
また嘲笑う声が聞こえる
笑いたければ笑えばいい
僕はここにいるのだ
そして僕はここにあるのだ
見える物
感じる物
全て僕のものだ
僕が僕らしくいるじゃないか
暗闇にも叫ぶ力を持って
手足が動かなくても
何も見えなくても
僕は僕なのだ
ひとひらの羽根が僕に舞い降りる
そして僕は空を手に入れた
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