文字数 610文字



今まで出会った悲しみは
どのくらいあったのかな
嬉しい事にも同じくらい
出会えたはずなのに
同じくらい出会えていても
どうしてこんなに
辛いことの方が多く
覚えてて思い出してしまうんだろう
心が疲れてるからなのかな
一人で寂しい思いをしてるから
傷が癒える前に
また傷ついて一人で抱えて
涙が止まらなくなっただけなら
一つくらいだったら
助けてって言ってくれればとか
そんなふうに気軽に言わないでよ
いつだって君もみんなも
もっと大きなもの抱えて
戦ってるのを僕も知ってるから
そんなに簡単には言えないよ
僕だって一人で強くなりたい
でも僕が古い傷を手放す前に
沢山の嬉しいことをかきわけて
悲しい事がすごいスピードで
近づいてくるんだ
僕には無理だよって
大声で叫んでも追いかけてくるんだ
僕はどうすればいいの
どうして君はそんなにへっちゃらなの
さっき持ってた古くて大きなモノ
どこに置いて来たの
助けを求めてないのに
いつの間にか僕の手からも
どうしようもない悲しみを
もうどこかに見えなくしてくれた
また助けられてしまった
そして僕はまた新しい悲しい出来事を
どうしていいかわからなくなるんだ
その繰り返し
いつまでも
その繰り返し
僕は君のように強くなりたいよ
空を見上げて呟いた
君も隣に座って
何も言わずに
一緒に空を見上げてくれた
たったそれだけなのに
今持っていた物が
少し小さくなった気がした
僕に足りない物
僕の強さになる物
君の強さになる物
違うということを知ると言うこと
今日ひとつ手に入れた気がした






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